2015 Fiscal Year Annual Research Report
超親水性ブラシと表面との相互作用およびナノパーティクル除去メカニズムの解明
Project/Area Number |
25420112
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
真田 俊之 静岡大学, 工学部, 准教授 (50403978)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | PVAブラシ / 洗浄 / 摩擦 |
Outline of Annual Research Achievements |
超親水性を有するPVAブラシの表面との接触状況と不純物除去メカニズム解明に向けて、摩擦試験機の開発や摩擦試験を行ってきたが、最終年度は、ロールブラシを洗浄液に浸漬させた状態での摩擦係数の測定および接触状況の可視化を行った。 まず摩擦試験について述べる。ブラシを洗浄液に浸漬させた状態において、特に洗浄液のpHと対象物の表面膜に着目し実験を行った。その結果、広く半導体デバイスで使用されているシリコン系の膜においては、摩擦力はpHの増加にに伴い減少すること、また摩擦力はロールブラシの回転数の増加に伴い減少することが示された。これは従来の報告や超純水を用いた我々の従来結果と一致する結果となった。一方で、pHの大きなアンモニア水を用いた場合、回転数の増加と共に摩擦力が増加傾向にあること、またシリコン系の膜で摩擦力はpHの小さな場合と比べて小さな値を示した。しかし最近の半導体デバイスで使用される銅やタングステンの膜では全く異なる傾向を示した。特に銅においては、高い回転数領域で非常に大きな摩擦力を示し、その摩擦力も時間的に大きく変動した。これは化学反応によって表面膜が溶解しブラシと強い相互作用を示したためと予想している。 次に、接触状況を観察するためレーザーの偏光と全反射を利用した接触顕微鏡を開発し、接触状況の可視化に挑戦した。まずはプラスチックの固体球を押し付け、その際の接触面積と荷重の関係を求め、接触面積の測定を行った。この試験において気体と固体の区別を可能とした。さらにその固体球周囲に水を散布し偏光状態を比較することで、固体と液体の区別を可能とした。最後に十分に水を含ませたPVAブラシを観察し、PVAブラシが接触していることを確認した。さらに十分に水を含ませたPVAブラシであっても気泡を多く含むことが明らかになった。
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