2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25420114
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
内山 知実 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (90193911)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 流体工学 / 混相流 / 気液二相流 / 気泡 / 操縦 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度に製作した実験装置を用いて,本格的な実験を開始した.得られた結果は以下の通りである. (1) 渦輪に対する気泡の相対的な運動は,渦輪射出速度すなわち渦輪強度と気泡注入流量に応じて4種類(Pattern 1,Pattern 2,Pattern 3,Pattern 4)に分類できる.(2) 渦輪強度が低いPattern 1では,気泡は渦輪に巻込まれずに上昇する.(3) 渦輪強度が増したPattern 2では,注入開始時を除き,前半に注入された気泡は渦核内部に巻込まれながら上昇する.巻込まれた気泡は渦核中心に沿って周方向に分布する.注入後半部の気泡は巻込まれずに上昇する.渦輪の上昇につれて,巻込まれていた気泡が上部へ離脱する.(4) 渦輪強度がさらに増したPattern 3では,注入開始時を除くすべての気泡が巻込まれ,渦核中心に沿って周方向に分布する.巻込まれた気泡は渦輪とともに上昇する.(5) 渦輪強度はPattern 3と同じであるが気泡流量が小さいPattern 4では,すべての気泡が巻込まれる.一部の気泡が上方へ離脱するが,多くの気泡は渦輪とともに上昇する.(6) 渦核内に巻込まれた気泡は,渦輪変位に影響をほとんど及ぼさない.しかし,局所的に渦輪の半径をやや増大させる.(7) Milenkovicらにより提案された単一気泡を渦核内部に捕捉するときの渦輪循環の予測式は,本実験において渦輪が気泡を内部に巻込み輸送する循環をほぼ正確に予測する.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
渦輪による気泡群の生成と輸送について,渦輪強度の影響を調べることができた.
|
Strategy for Future Research Activity |
研究はおおむね順調に進捗しているため,当初の予定通りの方針で研究に取り組む. すなわち,気泡群の操縦方法の確立を目指し,シリンダー直径やピストンストロークを変えた時の実験を実施し,それらのパラメータの影響を吟味する. また,数値シミュレーションを実施し,実験を補完する知見を獲得する.
|