2013 Fiscal Year Research-status Report
画像センサーを利用した安価で簡便な分散系二相流の粒径計測システムの開発と公開
Project/Area Number |
25420116
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 孝司 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10235963)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | レーザー回折 / 粒径計測 / 画像センサー / 噴霧 / システム開発 |
Research Abstract |
本研究の目的は、申請者らが開発・公開してきた簡易粒径計測システムの問題を克服して汎用性を高め、評価のうえ公開することにある。レーザー回折の原理に基づくこのシステムは、安価な汎用部品のみ構成され、画像センサーで得た散乱光の画像から光強度の半径方向分布を求め、これを逆演算して粒径分布や平均粒径を得ている。そのため測定用レーザー光束の集光点近傍でセンサー出力が飽和して光の透過率を妥当に評価できない、画像に光学的なノイズが現れるなどの問題がある。これらの問題を解消するために本年度は以下のような研究を行った。 (1) 従来のシステムで光学系として用いていたカメラ用アクセサリー部品が入手不能となったため、Xレールなど光学実験用の汎用部品などの組み合わせで新たに光学系を構成した。(2) 円形マスクをプリントした透明なフィルムを画像センサーの表面に張り付けてレーザー光束の集光点の強い光を減光することによって、画像センサーの出力飽和を防止できることを確認した。(3) 散乱光の画像に現れる光学的なノイズの原因は、レーザー光の集光点の強い光のセンサー内部での乱反射に起因しており、円形マスクの設置によりこれが防止できることを確認した。(4) さまざまな方法で製作した円形マスクを試した結果、マイクロフィルム化技術により黒地に白点の原稿を1/30に縮小したものが有効であるがわかった。(5) さまざまな直径の円形マスクを適用して光強度分布などを調べた結果、直径140μmのものが最適であることがわかった。(6) 円形マスクの中心とレーザー光の集光点の位置をあわせる方法を検討し、それを踏まえて計測・制御コード(光学系の調整・画像の取得・画像分析・粒径分布の計算)を開発した。(7) 開発したシステムで透明フィルムやガラス基板上に多数の中実円をプリントしたレチクル、噴霧などの測定試験を行い、その有効性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のような開発研究を行い、その結果について平成26年3月にOPC2014国際会議で発表した。 システムの光学系に利用していた汎用部品が入手不能となったり、システムの開発環境(Windows XP)がサポート打ち切りとなるなど、申請段階には想定していなかった障害もあって当初の予定よりも手間取った面もあるが、おおむね順調に研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、昨年度の研究で開発したシステムについて導入説明書を整備して、可及的速やかにHPなどで暫定公開する予定である。このシステムは旧バージョンのOS上で開発されたため最新のOSでは動作しない。そこで、すみやかに最新のOSへの移植作業を進め、でき次第HPなどで公開する予定である。さらに、開発したシステムでさまざまな測定対象について試行を行い、それらの結果を踏まえてシステムの改良を進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末の3月に成果発表のために参加したOPC2014国際会議の旅費・参加費として確保していた予算に若干の余剰が生じた。これを無理に消化することなく次年度に繰り越しの扱いとしたために、当該年度の所要額(B)と当該年度の実支出額(A)の間に若干の差が生じた。 平成26年度の交付金と合算して直接経費として使用する予定である。
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