2014 Fiscal Year Research-status Report
Re数,St数,曲げ剛性により決定できる弾性翼・薄膜まわりの渦流れの解明
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25420126
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
渕脇 正樹 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (60346864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 和博 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (80171742)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 非定常流れ / はく離 / 翼 / 非定常運動 / 渦 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒービング運動する弾性薄膜(3D)まわりの渦流れ構造とその非定常流体力特性に注目し,弾性変形がこれらに与える効果,さらには,その渦流れ構造の生成メカニズムを明らかにすることを目的とし,以下の知見を得た. 三次元弾性薄膜(アスペクト比AR=1.5)から巻き上がる前縁はく離渦(LEV)は翼端渦(TV)と干渉し,弾性薄膜まわりに渦輪を生成する.薄膜弦方向の弾性変形により,薄膜の端に沿って巻き上がるTVは主流に対して大きく傾くために,後流の渦輪は傾いて発達する.さらには,薄膜スパン方向の弾性変形により,LEVのTVへの干渉による巻きつきが強くなるために,渦輪の循環は強くなる.すなわち,大きな推進力が働く渦構造を形成するためには,薄膜弦方向およびスパン方向の大きな弾性変形が重要である. また,三次元弾性薄膜まわりに生成される渦輪の生成メカニズムとして,弾性薄膜の端から巻き上がるTVには,裏面のLEVが巻きつくように干渉することがわかった.弾性薄膜は薄膜弦方向の弾性変形によりTVが主流に対して傾き,スパン方向の弾性変形によってLEVとTVの干渉が強くなる.そのため,弾性薄膜が形成する渦輪は主流に対して大きく傾き,LEVとTVが巻きついた渦構造が明確になる.その結果,薄膜弦方向およびスパン方向に大きく弾性変形する薄膜では,その後流で大きな傾きおよび循環を持った渦輪を形成する.そのため,薄膜後流の速度分布は大きな増速流が発生する.剛体薄膜まわりにも同様の渦輪が形成されるものの,LEVとTVの巻きつきが弱いために,渦輪は主流に対して傾くことなく後流に発達し,その結果,増速流も小さく,剛体薄膜が生み出す非定常推進力も小さい.すなわち,弾性薄膜は弦方向の弾性変形により大きな推進力を生み出し,さらには,スパン方向の弾性変形により,その推進力をさらに大きくすることが可能となる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究実施計画であったヒービング運動する弾性薄膜(3D)まわりの渦流れ構造と弾性がその流れ場に与える効果を明確にでき,現在までの達成度は十分であると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25,26年度の研究成果を基盤として,ピッチング/ヒービング運動する弾性薄膜(3D)まわりの渦流れがSt数,曲げ剛性K(E, I)により決定できる領域を証明し,その渦流れを分類することで,弾性が流れ場に与える効果をより詳細に解明する.また, Re=103における渦流れを決定できるSt,K(E,I)の領域が,乱流域近傍(Re=104-105)で,どのように変化し,その渦流れの構造・挙動がどのように変化するかを明らかにし,Re,St,K(E,I)による定式化を試み,最終的には,流体,運動,剛性に関する運動-変形-渦-流体力の現象のメカニズムの解明を目指す.
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Research Products
(6 results)