2013 Fiscal Year Research-status Report
マイクロレーザープローブによる遷音速噴霧の液滴分裂過程の解明
Project/Area Number |
25420127
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
植木 弘信 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30160154)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 液体微粒化 / レーザー2焦点流速計 / 燃料噴霧 / 噴孔近傍 / 液滴速度 / 液滴サイズ |
Research Abstract |
ディーゼル燃料噴射ノズルから噴射される遷音速の液体燃料噴霧を計測するためのシステムの構築ならびに動作確認を行った.すなわち,半導体レーザーから射出される赤外レーザー光を焦点距離が8mmの非球面レンズを用いて回折限界まで集光する光学系を構成した.次に,2つの焦点からなるレーザーマイクロプローブにおける液滴の飛行時間・散乱時間から液滴の速度とサイズを求める信号処理系を構成した.本システムを用いて,液滴数密度の高いため噴霧液滴の計測は容易でない.そのため噴霧液滴の速度およびサイズの計測例は少ない.そこで,2つの焦点の間を液滴が飛行する時間を計測して速度を求めるレーザー2焦点流速計(L2F;Laser 2-Focus velocimeter)に散乱時間計測機能を付加することにより,液滴数密度の高い噴霧内部での噴霧液滴の速度とサイズの同時計測を行った. レール圧を40MPaに設定したコモンレールインジェクタから大気中に間欠噴射される噴霧液滴について,噴孔から3,5および10mm下流の位置においてL2Fを用いて液滴の速度とサイズを計測し,以下のことが明らかになった. (1)燃料噴射が開始された後,液滴の速度は時間とともに一定の期間に増加し,また液滴のサイズは時間とともに一定の期間に減少する.その後,両者は同時期にほぼ一定となる.すなわち,噴霧内部に非定常な構造が存在する. (2)噴孔下流3mmでは噴霧中心近傍と噴霧外縁の間において液滴速度が急激に変化し,噴孔下流10mmでは噴霧中心から外縁の間で液滴速度はなだらかに減少する.すなわち,噴霧内部に不均一な構造が存在する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
噴孔近傍において燃料噴霧液滴を計測するシステムを構築し,液滴速度とサイズの空間分布を得ることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
高圧場噴霧を計測するためのシステムを現在構築しており,雰囲気としてSF6(六フッ化硫黄)を充填し,その雰囲気中の燃料噴霧液滴を計測するシステムを構築する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は高圧場噴霧ではなく大気圧場噴霧の計測を主に行ったため,高圧場を形成するための消耗品等を購入しなかったため. 平成26年度は高圧場噴霧の計測を行う予定であり,窒素ガスやSF(六フッ化硫黄)ガスを購入する予定である.
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