2013 Fiscal Year Research-status Report
DBDプラズマアクチュエータを用いた浮力噴流の拡散制御とバーナー火炎への適用
Project/Area Number |
25420132
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
木村 元昭 日本大学, 理工学部, 教授 (70204998)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ノズル / DBDプラズマアクチュエータ / 誘導流れ / 拡散制御 / 浮力噴流 / バーナ火炎 / 予混合燃焼 |
Research Abstract |
本研究は,円形ノズル出口内壁面に円筒状誘電体を挟んだ2つの円筒状電極を配して,同軸型DBD(Dielectric Barrier Discharge)プラズマアクチュエータを形成し,プラズマによる誘導流れを噴流出口に作用させ,噴流初期領域の不安定性に影響を与えて,浮力噴流(空気,ヘリウム,二酸化炭素)の拡散制御を実施すると共に,この制御方法をバーナー火炎の安定化に適用することを目的とする. 目的の前者に関して,内径10mm,高さ13.5mmの同軸型DBDプラズマアクチュエータをノズル出口に設置し,電圧を2kV~10kV,周波数4kHz~16kHzと印加条件を変化させ,さらにプラズマを間欠的に発生させドライブ周波数及び間欠率と浮力噴流のプリファード周波数とのマッチングを試行錯誤的に求めた.噴出レイノルズ数は1000,2000,3000を用い,レーザーシート光とハイスピードカメラにより可視化撮影及びPIVにより速度解析を実施した.測定結果より,空気噴流及び二酸化炭素噴流ではプラズマを印加しないノーマルな噴流の初期不安定によるプリファード周波数の整数倍の周波数を印加した時,渦輪の発生が促進され噴流拡散に寄与することが明確となった.この現象は間欠比が10~50%程度で顕著で,70~90%では噴流外周部のみに攪乱が生じ噴流内部まで到達しない.よって二つのモードがある. 目的の後者に関して,内径6mm,高さ13.5mmのセラミックスと銅電極で製作したプラズマアクチュエータをノズル出口に設置し,電圧7kV,8kV,周波数8kHzとして,これをプロパン・空気の予混合燃焼に適用した.ハイスピードカメラによる可視化画像観察より,プラズマを印加することにより火炎の吹き飛び限界速度が上昇すること,また,印加電圧の増加により稀薄濃度,より高い流量でのバーナ火炎が維持可能であることが明確となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
浮力噴流として,周囲空気との密度差により二酸化炭素,空気,ヘリウムを使用した.この中でヘリウム噴流の場合,イオン化傾向が大きいためストリーマー放電が形成されず,誘電体が破損してしまう.この打開策として,同軸ノズルを製作し外周の空気噴流をプラズマアクチュエータの誘導流により制御し,中心のヘリウム噴流を間接的に制御した.試行錯誤が伴い時間を要した.また,電圧印加の手法を検討する必要がある. バーナ火炎の場合,DBDプラズマアクチュエータを作用させたとき,誘起流れによる流体力学的に制御される部分と,プラズマ印加により気体が解離や電離して燃焼という化学反応を助長するラジカルが生成されている可能性が確認された.これらのことから新たにプラズマによるオゾンやラジカル成分生成に関する内容を検討する必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25 年度の結果を基に電極,電圧,周波数,間欠性を決定し,浮力噴流への拡散制御法を見出し,その性能を確認する.また,この実験結果より周囲と密度の異なる浮力噴流への一般化を図る.さらに,この結果を気体燃焼に適用し,プラズマアクチュエータが予混合燃焼・拡散燃焼に如何に作用するかを,直接像とシュリーレン像をハイスピードカメラにより撮影し火炎の安定性との関係を見出す. ヘリウム噴流への適用に関しは,今のままでのプラズマ印加は不可能である.このため,中心にヘリウム噴流,これと同軸に空気噴流を配置し,さらに空気噴流にプラズマアクチュエータを作用させ二次的にヘリウム噴流を制御する方法A.ナノセコンドパルスアクチュエータを用いて短絡する前に放電を制御する電圧印加を行う方法B.この二つの方法を検討する.これらを検討することにより,気体のイオン化傾向によらず噴流拡散制御を実現できるプラズマアクチュエータへと改良する. 空気,二酸化炭素,ヘリウム,プロパン,プロパン・空気混合気体がプラズマ印加により如何に解離,電離をするかを検討する必要がある.分光器を用いてプラズマのスペクトル解析による成分分析を試み,火炎安定化のメカニズムを考察する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度で計画していた物品費およびその他を支出したが,1万円以下の残金が出たため,次年度に有効に使用するために繰り越しとした. 平成26年度に計画している消耗品費用に組み入れる.
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Research Products
(6 results)