2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of critical heat flux enhancement in boiling of binary mixtures
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25420141
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坂下 弘人 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (00142696)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 二成分流体 / 限界熱流束 / プール沸騰 / 可視化 / 濃度分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,微細熱電対プローブによる局所濃度測定と伝熱面のドライアウト過程の可視化測定を通して,二成分流体による限界熱流束の促進機構を明らかにすることである. 平成25年度は,二成分流体として2-プロパノール水溶液を用いて,微細熱電対プローブによる局所濃度測定を実施した.その結果,局所温度の測定から2-プロパノールの局所濃度を特定することが可能であることを示した. 平成26年度は,前年度の実験を継続し,2-プロパノール水溶液の沸騰では伝熱面近傍で2-プロパノール濃度が急激に変化していることを明らかにした.また,得られた濃度分布から表面張力分布を求め,表面張力は伝熱面に向かって急増する分布を示し,気泡周囲には強いマランゴニ対流の発生が予想されることを明らかにした. 平成27年度は,沸騰様相を可視化するための実験装置の製作と光学系の構築を行った. ITO膜を蒸着した透明伝熱面に,伝熱面上が乾燥状態にある場合に全反射する条件で下面からレーザーを入射することで,水の限界熱流束近傍の高熱流束における伝熱面上の沸騰様相の可視化が可能であることを確認した. 平成28年度は,昨年度に構築した可視化実験系を用いて,沸騰の可視化測定を実施した.その結果,水では,伝熱面上の乾燥領域は比較的ゆっくりとした周期で拡大と縮小を繰り返し,2-プロパノール水溶液では乾燥領域は一次気泡底部に限定され極めて高頻度で濡れと乾きの状態を繰り返すことが判明した.この違いは,昨年度までに明らかにした伝熱面近傍の表面張力分布によって一次気泡周囲に誘起されるマランゴニ対流によるものと推察される.この効果によって,一次気泡の離脱が促進され,伝熱面からより離れた位置で接合して蒸気塊を形成するために,蒸気塊下の液層は顕著に厚くなり二成分流体の限界熱流束が促進されると考えられる.
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Research Products
(1 results)