2015 Fiscal Year Annual Research Report
非共沸混合冷媒の遷移領域における管内凝縮に関する研究
Project/Area Number |
25420150
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
党 超鋲 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (30401227)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 管内凝縮 / 液膜挙動 / レーザー計測 / 表面処理 / スリップ速度 / 撥水面 / 流動様式 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、非共沸混合冷媒の管内凝縮伝熱のメカニズムを解明するために、内径1㎜程度の細管流路内部の気液二相流動特性と管内凝縮特性の実験測定を行う、管径による伝熱性能の変化を明らかにする。また、その伝熱性能と管内流動様式、特に薄液膜の厚みと気液界面の乱れに密接な関係があるため、管内流動様式の観察と、薄液膜の厚みの直接実験測定を行う。その薄液膜の挙動を用いて凝縮伝熱の理論解析を行う。 管内凝縮伝熱には相変化時の流動様式変化と壁面付近の液膜厚さおよびその乱れに密接な関係がある、その薄液膜の挙動を直接計測することは、細管内の気液二相流動および相変化伝熱特性の解明の鍵となる。さらに、伝熱管の形状、寸法、表面特性、そして作動流体の密度、表面張力、粘性などの熱物性により薄液膜挙動(液膜厚みの平均値、時間変化など)の把握が重要である。本研究は、薄膜厚さの挙動を、レーザー共焦点変位計を用いて直接測定し、膜の平均厚みの時間変化などの結果と伝熱管の形状、流動パラメータなどの関係を解明する。内径2mm、1 mmと0.5 mmガラス細管内のスラグ流および環状流での液膜厚みと圧力損失を5種類の液相(水、エタノール、FC72、2種類のシリコンオイル)を用いて各種熱物性の液膜厚みへの影響を調べた。また、液膜厚みの理論予測式の提案も行った。平成27年度には、伝熱管の表面特性による液膜の厚みと圧力損失への影響を調べるため、伝熱管の内表面を親水性と撥水性処理を行い、その液膜の挙動を調べた。撥水性処理した伝熱管の液膜と圧力損失は、親水性管と比べほぼ一緒だが、小さいキャピラリー数(流速)条件においては、表面張力の大きい水だけがスラグ流の形の変化と大きな圧力損失のような特異現象が観察された。それは撥水面の壁面付近のスリップ速度の存在によるものとして、数値計算による理論的な解明を行っている。
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Research Products
(4 results)