2014 Fiscal Year Research-status Report
微細翼型チューブを利用したヒートポンプ用高性能気液熱交換器の開発
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25420154
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大西 元 金沢大学, 機械工学系, 助教 (80334762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 幸生 金沢大学, 機械工学系, 准教授 (20179708)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 熱交換器 / 翼型チューブ / 熱伝達 / 気液 / 冷凍空調 / ヒートポンプ |
Outline of Annual Research Achievements |
冷凍・空調機器に代表されるヒートポンプ技術のさらなる高性能化が,エネルギー有効利用の観点から求められている.その実現に向けた方策の1つは気液熱交換器の小型・高性能化であり,そのためには冷媒用流路はさらなる細径化が必要となってくる.そこで本研究では,微細翼型チューブ熱交換器を提案し,気相側の伝熱性能を向上するために各パラメータの及ぼす影響を追究する.また,冷媒側細径流路内の蒸発・凝縮特性の把握と冷媒分配特性に対する実験的検討を行う.そして,コンパクトな高効率ヒートポンプ技術を確立することを目的とする.本年度は,引き続き提案する微細翼型チューブ熱交換器を対象に,気相側伝熱性能のさらなる向上を目的に,レイノルズ数と幾何形状の伝熱特性に及ぼす影響を数値解析的に詳細に評価し,チューブ形状を含めた最適条件を追究した.具体的には,まずは新たな提案である拡張前後縁部を設けた微細翼型チューブ熱交換器の気相側伝熱性能をチューブ形状の検討を含め数値解析的に追究した.そして,拡張前後縁部の有効性を既存の評価式ではなく,新たな代表長さを定義した評価式で評価した結果,伝熱性能が向上することが分かった.また,流速,チューブの列ピッチ,段ピッチといったパラメータが熱流動特性に与える影響を検討した結果,最適な幾何条件を明らかにすることができた.さらには,更なる伝熱促進効果を期待し拡張前後縁部に加工を施した形状を提案し,その有効性を評価した結果,同一ファン動力当たりの伝熱性能が向上することが分かった.また,熱交換器の高性能化を検討する中で,着霜下の伝熱性能を検討することも重要である.そこで,着霜下における翼型チューブ熱交換器の高性能化の観点から,前段階としてフィンレスチューブ熱交換器の冷凍環境下における性能変化を実験的に評価し,翼型チューブ熱交換器に活かせる重要な知見を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,提案した微細翼型チューブ熱交換器の気相側の伝熱性能をさらに向上すべく,形状変更を含めた各パラメータの及ぼす影響に関する数値解析的検討と実験的検討を行った.そして,十分な成果が得られた.さらに,冷媒側の細径流路内二相流の相変化を伴う熱流動特性を実験的に評価できる装置を製作することができた.そして,十分な成果が得られる準備ができたので,ほぼ当初の予定通りに進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度は前年に引き続き,翼型チューブの細径流路内冷媒の相変化を伴う熱流動特性を実験的に評価し,通常のチューブ内冷媒との特性の違いを把握する.具体的には,細径流路内気液二相流の凝縮・蒸発熱伝達特性と圧力損失特性について実験的に検討する.さらに,マイクロスコープやハイスピードカメラといった可視化装置を組み合わせて冷媒の相変化挙動を観察し,マイクロスケールにおける流量・熱流束条件と流動様相の関係を評価する.また,前年度得られた着霜下における微細チューブ熱交換器の伝熱特性を応用し,微細翼型チューブ熱交換器の気相側の伝熱性能を向上するために新たな方策を提案し追究を行う.
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Research Products
(4 results)