2014 Fiscal Year Research-status Report
低カロリーバイオガス燃料用マイクロガスタービン燃焼器の開発とその燃焼特性の解明
Project/Area Number |
25420159
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
野田 進 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60124054)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 燃焼 / マイクロガスタービン / バイオガス燃料 / NOx / 安定燃焼 / 水素 |
Outline of Annual Research Achievements |
低カロリーバイオガス燃料を使用するマイクロガスタービン燃焼器(出力5kW)の開発とその燃焼特性の解明が本研究の目的である.本研究では安定供給が可能な下水汚泥由来のバイオガス燃料の適用を検討している.この燃料は由来に基づき、窒素が大量に含まれ、燃料として利用できる炭化水素の濃度が低下し,発熱量はメタンのおよそ10分の1程度となる.このことから,燃料に含まれる窒素を原因とするNOx生成と発熱量の低下に基づく火炎の不安定性が問題となる.したがって,低NOx燃焼技術と安定燃焼技術の両者が同時に求められる.また,バイオガス燃料は下水の地域依存性があり,約10%程度の発熱量の変動がある.これらの条件に対応するため,極めて安定性の高い旋回噴流燃焼器のマイクロガスタービン燃焼器への適用を検討した.平成26年度において実施した常温,常圧下での一時旋回噴流燃焼器と二次旋回燃焼器の組み合わせにおいて,平均発熱量(3400kJ/Nm3)の場合,一次噴流燃料流量,一次旋回燃料流量,二次旋回燃料流量の比を1:3:1とすることで,安定な燃焼が可能であることが明らかとなった.また,NOxの排出量が5 mg/kgfuelとなり,極めて低NOx燃焼が実現できることを明らかにした.ただし,発熱量が10%低下した場合(発熱量3000kJ/Nm3)には不完全燃焼が発生した.このため,発熱量(3000kJ/Nm3)の場合の燃焼特性をさらに詳細に調査するとともに,水素添加の影響を調査した.水素添加1%(発熱量3076kJ/Nm3)で水素添加無(3400kJ/Nm3)と同等の安定化を実現できることが明らかとなった.また,一次燃焼器の中央に設置されている一次噴流燃焼器の環状空気噴流口を多噴流孔とすることで,大幅にNOxを低減できることを解析と実験で確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成26年度において,マイクロガスタービン燃焼器の一段旋回噴流燃焼器の改良を行った.一段燃焼器の中央に設置されている一段噴流燃焼器の空気供給供給口を同軸噴流型から多噴流孔型に変更することで,大幅にNOxを減少させることができることを解析と実験で確認した.また,発熱量が3000kJ/Nm3の場合において,水素添加1%でマイクロガスタービンとして十分な火炎安定性が得られることを確認した.
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Strategy for Future Research Activity |
バイオガス燃料を使用するマイクロガスタービンの問題点である安定燃焼と低NOx燃焼について,これまでの解析および実験研究で,一段燃焼器の最適化を完了することができた.最終年度となる本年度の研究目標は二段燃焼器の最適化である.二段燃焼器内部の燃焼特性を実験と解析で評価し,最適化のための指針を明確化する.また,これまでの研究成果を論文として,国際会議,学術雑誌に投稿する.
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Research Products
(16 results)