2014 Fiscal Year Research-status Report
エネルギーウェイスト・ネットゼロを目指した機能性ポーラスヒートシンクの開発
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25420170
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
結城 和久 山口東京理科大学, 工学部, 准教授 (90302182)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 冷却 / ポーラス体 / 製鉄 / 高熱流束 / 潜熱 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、未来のエネルギーウェイスト・ネットゼロ・システムに貢献する機能性ポーラス体の冷却性能と高温熱源への実装条件について明らかにするものである。具体的には、製鉄連続鋳造工程のモールド鋼板冷却に申請者が研究を進めている機能性ポーラスヒートシンクを適用するものであり、ポンプ動力低減による冷却系コストの劇的な削減を図る。 研究初年度となる昨年度に製作したCCモールド高熱流束模擬試験装置を利用し、CCモールド大面積に適応可能なデバイス開発に取り組んだ。先ず、前年度に明らかになった様々な課題(ポーラス入口部での流路閉塞、蒸気ポケットの発生、試験部での熱損失、ポーラス体と伝熱面の接地面における熱抵抗)を解決した。特に、ポーラス体内での蒸気ポケットの停留を解決するため、非焼結タイプの粒子ポーラスを導入した。更に、液供給と蒸気排出のパターニングを変えた3つの冷却モジュールを提案・製作し、伝熱データを取得した。これにより、非焼結型の粒子ポーラス体を用いた1つのモジュールで除熱性能が劇的に改善され、2L/minの液供給量で熱流束値10MW/m2を達成することができた。 また申請者が有するポーラス体内二相流解析コードを、蒸気生成が活発な本ヒートシンク体系へ改良し、ポーラス体内での二相流状態を評価する。液相と蒸気相の流れ場を個別に定式化・離散化し、現在、簡易条件におけるシミュレーションを実施している。特に、液体飽和度がゼロに近い領域において計算が不安定になっており、安定化のための各種スキームの調査を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究初年度に実施した機能性ポーラス体の導入に関し、幾つかの技術的課題が発生したため。しかしながら、殆どの課題については本年度に解決しており、今後の成果を期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究初年度における進捗の遅れにともない、本研究では、研究初年度に実施予定であった高温ブロック熱源接続時における非定常の冷却実験を実施する代わりに、大面積冷却面に適用可能なポーラスヒートシンクを提案し、熱流束をパラメータとして最適冷却条件(デバイス構造、冷却材条件等)について議論している。これらのデータをベースに、最終年度において高温環境における非定常伝熱データについても取得する予定である。 また、ポーラス体についても現在は銅粒子を焼結・非焼結したものを使用しているが、伝熱面との接触熱抵抗軽減、蒸気排出、有効熱伝導率向上を可能とする新しいポーラス体について最終年度に導入し、本技術の新たな展開とブレークスルーを得たいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究初年度に実施を予定していた実験項目を一旦保留し、3年間にわたる実験をよりスムーズに進ませるため、平成26、27年度の実験を前倒しして実施したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成25年度に実施予定だった実験に対して必要な消耗品を購入する予定である。
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Research Products
(2 results)