2014 Fiscal Year Research-status Report
メンテナンスフリー小水力発電のための鞍状板カオス振動発電機の開発
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25420175
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
永井 健一 群馬大学, 名誉教授 (00110403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 真一 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (60344925)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 機械力学・計測制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
環境への影響が少なく,クリーンかつ再生可能な発電法に小規模河川や用水路を利用した小水力発電がある.従来の小水力発電には,水車を利用した方法があるが,従来の水車は大型であり,用水路等の場所を選ぶという欠点があった.そこで,水流中に圧電素子内蔵の薄肉板を置いて流体励振による発電方法を提案し,この開発を最終目的とする.ここで,長方形板を鞍型にし,動的飛び移りを伴う振動応答を生じさせることで発電効率の向上が期待できる.弦拘束した薄肉長方形板により効果を確認した昨年度に続き,実用上の観点から弦拘束を用いない鞍型板を試作し,流体励振の実験を行った.具体的には,曲板の形状を有する型を作成し,これに加熱したプラスチック板を押し付けて成形することで,双安定性を有する矩形曲板を作成した.試作した矩形曲板の流体励振実験を行なった.具体的には,送風機により,一辺を固定した曲板の縦方向から風の流れを生じさせて板を励振した.板と風の角度と風速を変化させ,動的飛び移りを伴う振動応答を生じさせた.また,板にはひずみゲージを取り付けて,励振させた際の板のひずみを求めた.風の角度や風速を変え,流体励振における曲板の振動挙動を明らかにした.その結果,風速に応じて適切に風向を設定することで,板に動的飛び移りを伴う振動を生じさせることができることを示した.また,風による励振において,長方形板の振動応答は固有振動数近傍に振幅比が大きくなることが確認できた.さらに,動的飛び移りを伴う振動応答では,固有振動数近傍の他に,低い振動数域において広い振動数帯で高振幅比となることが確認できた.また,主成分分析より,風の励振に伴う振動応答は第一次成分が支配的であるが,動的飛び移りを生じると,流れに沿った方向に一本の節をもつ高次モードの寄与が上昇することを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
弦拘束を用いないに鞍形板の動的飛び移りを流体励振より生じさせ,流体励振される鞍型板の動的飛び移り振動により,発電量を向上できる実現性をより高めることができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
弦による拘束を用いない鞍型板を形状を変えて作成し,形状が性能に与える影響を分析する.さらに,動的飛び移り時の振動モード形状を詳細に調べ,発電に最適な圧電素子の積層方法を検討するとともに,実験によりその効果を確認する.さらに,自由境界を有する曲板の振動解析を実施する.
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Causes of Carryover |
今年度購入した研究用機器類が予定より安価に購入できたこと,および国際会議出席予定を次年度に変更したために次年度使用額が生じたものであり,次年度の研究経費の一部として使用する.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験用消耗品,センサー類等の購入とともに,研究調査などの旅費に使用する.
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