2015 Fiscal Year Annual Research Report
振動信号に内在する非線形性に着目したカオス時系列解析による軸受診断
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25420188
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| Research Institution | Hiroshima University |
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Principal Investigator |
関口 泰久 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60226644)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 異常診断 / 転がり軸受 / カオス時系列解析 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
転がり軸受は重要な機械要素であり，その簡便な異常診断法の確立が求められている．本研究では，転がり軸受の転動疲労試験を実施し，軸受が正常な状態から，寿命を迎えるまでの振動・音響診断を目的としている．
本研究で実施した転がり軸受の転動疲労試験においては，軸受にラジアル荷重を負荷し，一定の速度で回転させた際の半径方向加速度と，軸受が発生する音を測定した．得られた信号に対し，従来の時系列解析における診断パラメータとして尖度，歪度，波高率を計算した．また周波数分析を実施した．さらに本研究の目的であるカオス時系列解析として最大リアプノフ指数解析および軌道平行測度解析を実施し，診断結果を比較検討した．
実験では外輪および内輪に傷が生じた疲労試験結果を得ることができた．まず振動診断として実験開始から軸受寿命までのデータについて，診断を試みた．その結果，両傷事例ともに最大リアプノフ指数解析が有効であることが分かり，カオス時系列解析の機械要素診断への適用可能性を示すことができた．特に本実験における内輪傷の場合では，特徴的な時系列波形が得られたが，その場合にもカオス時系列解析での診断は可能であり，十分な実用性を有すると考えられる．
また音響診断についても計画通りに実施したが，予想されていた通り振動診断と比較すると精度が低く，十分な結果を残せたとは言いがたい．さらに当初の計画には含んでいなかったが，振動・音響より高周波の信号となるアコースティックエミッションについてもその採取と解析を試みた．しかし，音響解析と同様，ノイズによる精度低下が大きく，まだ診断に有用であるかどうか，十分な検討ができていない段階である．これらの手法については引き続き研究が必要であると考えている．
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