2014 Fiscal Year Research-status Report
6脚ロボットの歩行環境適応型胴体6自由度運動制御手法の開発
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25420200
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
内田 洋彰 木更津工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00223561)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 6脚ロボット / 全歩行方向制御 / 姿勢制御 / 自己位置推定 / フィードバック制御 / 最適制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,平成25年度に引き続き第1の課題,“仮想インピーダンスを設定した6脚ロボットの全方向(歩行方向x,yおよびヨー角)歩行制御手法の開発”について,3Dシミュレーションでの検討を行った。また,歩行実験では,歩行方向制御手法の検証をレーザーレンジファインダー(LRF)で,6脚ロボットの絶対座標系における歩行位置x,yおよびヨー角を検出して行う手法について行った。フィードバック(FB)制御系の設計方法としては,目標値(歩行方向制御ではx,yおよびヨー角,姿勢制御では,ピッチ角,ロール角および胴体高さ)に対して,1型のサーボ系を設計するLQI制御系を設計した。提案する軌道追従制御手法の有効性は6脚ロボットの3Dモデルを用いたシミュレーションにより,段差を昇降する直線歩行を行うことで検討した。前年度までは,支持脚時に歩行方向制御のFB入力のみで制御を行っていたが,目標軌道がランプ関数であるため,入力が大きくなり,胴体が振動してしまう結果となっていた。そこで,平成26年度は,支持脚時の制御入力として,歩行を実現する足先軌道を逆運動学で解いて求められる目標軌道に追従するPD制御入力と歩行方向制御から計算されるFB入力を足し合わせることで追従性能を向上することを試みた。歩行方向制御はインピーダンスを設定しないモデルで行った。この結果,目標軌道を円軌道とする歩行方向制御においてPD制御入力を付加しない場合と比較して,支持脚時の振動的な応答が小さくなり,追従性能が向上することを3Dシミュレーションで確認した。歩行実験においても支持脚時にPD制御入力と歩行方向制御によるFB入力を足し合わせる方法で直線歩行の検証を行った。その結果,PD制御のみでは,ヨー角方向のずれが増加してしまう結果となっていた歩行が,歩行方向制御+PD制御では,ヨー角方向の偏差を小さくする歩行を実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
第1の課題,“仮想インピーダンスを設定した6脚ロボットの全方向(歩行方向x,yおよびヨー角)歩行制御手法の開発”については,平成26年度の検討でインピーダンスを設定しないモデルでの3Dシミュレーションで,支持脚時に歩行方向制御手法で得られるFB入力だけでなくPD制御の入力を足し合わせることで目標軌道への追従性能が向上する結果が得られた。歩行実験においても,LRFで6脚ロボットの歩行空間における絶対座標とヨー角を計測し,歩行方向制御手法の有効性の検証を行った。当初の予定では,平成25年度中にインピーダンスを設定したモデルで実験までの有効性を検証する予定であったが,制御手法の変更,LRFでの位置およびヨー角検出に時間がかかり,平成26年度での目標到達となった。インピーダンスの設定については,設定していないモデルでの検証となっているが,数学モデルの次数が6次元小さくなり,ソフトウェアの負担は軽減されているので,追従性能の観点からは当初の目標は達成している。 第3の課題,“姿勢制御(胴体高さ,ピッチ角,ロール角)と全方向歩行制御手法の協調制御”については,平成25年度に引き続き,平成26年度も6脚ロボットの3Dモデルを用いて検討を行った。現在までは,全方向歩行制御と姿勢制御ともに仮想インピーダンスを設定した数学モデルで両制御手法を協調して,段差がある不整地での直線歩行のみの段階となっている.この手法での全方向歩行制御手法においては,歩行方向制御手法から得られるFB制御のみで支持脚旋回部の制御を行っているため,十分な制御結果とは現時点ではなっていない。姿勢制御については,段差の昇降において有効に働いている。この点では,目標の50%程度の達成となっている。また,脛部を制御することで,横方向の移動量を制御する方法については,引き続き検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
第1の課題,“仮想インピーダンスを設定した6脚ロボットの全方向(歩行方向x,yおよびヨー角)歩行制御手法の開発”については,3Dシミュレーションおよび実験での検討を行う。歩行方向制御手法では,支持脚旋回部リンクの制御入力としてPD制御と歩行方向制御手法で得られるFB入力を足し合わせる方法を中心に検討する。数式モデルについては仮想インピーダンスを設定していない場合と設定しているモデルでの制御性能にどのような相違があるのかを検証する。また,全歩行方向制御と姿勢制御を協調した手法については3Dシミュレーションおよび歩行実験の両面から検討する。歩行実験については,全歩行方向制御および姿勢制御から計算される入力が大きくなり,可動範囲を超えてしまうという問題があるので,実験においては入力を角度目標値に変更する手法について検討する。また,LRFを用いた自己位置検出では,外部環境の固定点を正確に設定する必要があるが,固定点検出については,固定点が検出されない場合の自己位置推定方法,固定点の切り替え方法の問題が現時点では挙げられている。実験においてこれらの検討課題を検討する。3Dシミュレーションでは,段差のある不整地での直線歩行および旋回歩行で有効性を検討する。 第2の課題,“全方向歩行制御において,フィードフォワード(FF)入力を用い,ウォームギヤ駆動の応答性を改善する運動制御手法の開発”については平成27年度に検討する。FF入力を求めるのに必要な数式モデルは導出されているので,この数式モデルをもとにFF入力を求め,6脚ロボットの3Dシミュレーションで検討する。
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Causes of Carryover |
当初平成26年度に契約予定であった,平成27年度に使用するソフトウェアの契約費用が当該年度の平成27年度に執行する必要があることが判明したため,その費用を平成27年度に持ち越したため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に持ち越した金額についてソフトウェアの契約を結び,執行している。
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Research Products
(2 results)