2014 Fiscal Year Research-status Report
タイヤの振動特性に基づくラグの起振力推定による農耕車両の振動発生メカニズムの解明
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25420201
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
藤田 活秀 宇部工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (50390498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 俊 山口大学, 理工学研究科, 教授 (10162207)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 機械力学・制御 / 解析・評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
転動時のラグによる起振力を同定するために,転動実験により転動時に車軸に作用する軸力と車軸の挙動を前後方向と上下方向について計測した.次にタイヤを剛体円環モデルでモデル化し接地・回転を考慮して運動方程式を導出した.導出された運動方程式から,転動実験での軸力と車軸の挙動の計測結果を用いて最小二乗法により転動時のベルトの挙動を同定した.同定されたベルト挙動から算出できる軸力の計算値と転動実験で計測された軸力の計測値を比較した結果,前後方向・上下方向共に非常に良く一致していることが確認され,同定の妥当性が検証された.更に,同定されたベルト挙動を用いてラグ起振力を算出し,ラグ起振力の特性を調べた結果,以下の知見が得られた.
1.ラグ起振力は軸力に比べると前後方向については低速域で大きくなり,上下方向については高速域で大きくなる傾向があり,ラグ起振力の特性と軸力の特性には相関はあるものの,その相関関係は一様ではなく,軸力の特性からラグ起振力の特性を推定することは難しいことが判明した. 2.ラグ起振力はタイヤの振動特性の影響を受けており,前後方向の起振力はタイヤの剛体モードのうち,回転モードと前後モードにより励起され,上下方向の起振力は,キャンバーモードと上下モードにより励起されることが判明した. 3.同定されたラグ起振力の特性とタイヤの振動特性に相関性が認められたことから,ラグ起振力が正確に同定されていることが確認され,本同定手法の有用性が証明された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
面内方向(前後方向,上下方向)のラグ起振力については,転動実験の計測結果を用いて同定することが出来るようになり,同定結果の妥当性についても確認することが出来た.しかし,ラグ付きタイヤはラグが千鳥状に配置されており,面外方向(軸方向)の力も発生するので,軸方向のラグ起振力も同定する必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
剛体円環モデルにおいて軸方向の運動も考慮したモデル化を行い運動方程式を導出する.転動実験により軸方向の軸力と車軸の挙動を計測し,導出された運動方程式を用いて,ラグ付きタイヤに特有の軸方向のラグ起振力についても同定を行う.
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Causes of Carryover |
殆どを研究成果の発表等の為の旅費として使用しており,若干の使用残が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
旅費として使用する予定.
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Research Products
(4 results)