2014 Fiscal Year Research-status Report
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25420205
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Research Institution | Hyogo Prefectural Institute of Technology |
Principal Investigator |
才木 常正 兵庫県立工業技術センター, その他部局等, 研究員 (80470227)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 弾性表面波 / アクチュエータ / 粉体 / 圧電材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
弾性表面波(SAW)アクチュエーターから発生されるレイリー波の伝播領域や振幅を観測するため、ホログラフィック干渉系を用いた観測システムの構築を行ったが、レーザーパワー等が不足し、期待通りのホログラムが得られなかった。そこで、昨年度に引き続き、微小粉体をマーカーとしてSAWの伝搬領域の観測を行った。ちなみに、この微粉マーカーによる測定においては、SAWの振幅は微粉マーカーの移動速度と関係がある。 具体的に今年度は、粉体の輸送経路を工夫した新規の高精度SAWフィーダーのSAWの伝搬領域を調べた。このSAWフィーダーは1つ櫛歯電極IDT(ピッチ400μm, 幅5mm, 対数20)と2つの三角形状の誘導パターン(傾斜角5度, 長さ35mm, 端部の壁間距離300μm)で構成されてる。これらは1μm厚のAl膜製で、LiNbO3(128度y回転x伝播)基板上に一回の露光プロセスで同時に製作した。このSAWフィーダー上に微粉マーカー(無水化タングステン)を均一に振り掛け、SAW伝搬経路の確認を行った。その結果、誘導パターン上では微粉マーカーの移動は観測できず、IDTから発生したSAWが誘導パターンにより伝搬経路が狭まることがわかった。このことから、薄膜パターンによりSAW伝搬路を制御できることが明らかになった。 今後、薄膜上におけるSAWの波動特性を系統的に調べる。そして、得られた一連の結果から粉体輸送モデルを検討し、シミュレーション解析を行って実測値と比較する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ホログラフィック干渉系による光学的手法を用いたSAW観測システムの完成を目指して、昨年度から構築作業を行っているが諸問題により未だ思うような成果が得られていない。そこで、正確なSAWの振幅はわからないが、伝搬領域が明らかにわかる微粉マーカーによるSAWの観測に本格的に切り替え、SAWの波動特性の把握を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
SAWの正確な伝搬領域と強度を知るため、レーザドップラー等の他の光学的観測についても検討する。更に、薄膜上でのSAWの波動特性について詳しく調べるため、薄膜材料や粉体の種類をパラメーターにし系統的に調査する。そして、得られたデータより薄膜上での粉体輸送モデルを検討し、粒子法と有限要素法等のシミュレーション解析を行い、実測値と比較する。
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Causes of Carryover |
支払い処理が4月に間に合わなかったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度、早々に処理する予定
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