2013 Fiscal Year Research-status Report
マイクロデジタルファブリケーション技術を用いた色素増感型太陽電池の開発
Project/Area Number |
25420224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
梅津 信二郎 東海大学, 工学部, 講師 (70373032)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 色素増感型太陽電池 / 3Dプリント / 薄膜形成 |
Research Abstract |
申請者らは、高粘性なチタニアペーストを高画質にパターニング可能なPELID法を独自に開発中であり、試作機を用いて一種類のチタニアを最適な膜厚条件でパターニングすることで、色素増感型太陽電池の変換効率7.5%を達成している。また、このチタニア層の上に比較的大きな粒子径のチタニアをパターニングすることで、光閉じ込め効果によって効率が上昇することを実証している。本研究では、高効率な色素増感型太陽電池の作製と製造方式の実用化を目指している。そこで、光閉じ込め効果が最大になる膜厚条件にチタニアをパターニングすることでさらなる高効率化を図る。さらにマルチノズル化することで、高速パターニングが可能な装置の開発を行う。 本年度は、チタニア粒子をPELID法の装置の改良と、膜厚条件の探索を行った。ノズル先端と対象物の距離が近い場合、着弾までの乾燥があまり行われないため、ペースト濃度が低い状態で着弾してしまう。これによって、形成されている膜が崩れてしまうことがあった。膜厚の微細な調整は、最適膜厚条件を探索する際に非常に重要になる。ノズルと対象物の間にリング電極を挿入した。ノズルとリング電極の位置関係によって発生する電界が決まるので、ノズル先端から吐出される液滴は決定される。一方で、リング電極と対象物の距離を大きくすることによって、乾燥しやすくなる。これらによって、安定した液滴の吐出を実現しつつ、着弾時に発生する問題の解決を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
申請書では、最適なチタニア膜厚の特定とさらなる高効率化を目的とし、これらを達成した。さらに、チタニアだけでなく、色素のプリントも行えることを実証した。通常数時間のディップコートによって、色素の吸着が行われているが、申請者らの研究の場合数分のプリントで同程度の効率になることを実証した。この研究は、申請書には記載していない研究ではあり、予定している以上の研究成果と考えた理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
装置をマルチノズル化し、高速プリントを行うこと、および数値解析することで、最適な条件を事前に把握する研究を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入予定の物品のわずかなディスカウントなどの問題により、該当年度予算の0.1%程度の残金が発生した。 発生した残金(昨年度予算の0.1%)も無駄なく、次年度の研究に回し、良い成果が出るように一生懸命取り組む。
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