2015 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロデジタルファブリケーション技術を用いた色素増感型太陽電池の開発
Project/Area Number |
25420224
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
梅津 信二郎 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (70373032)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 3Dプリンタ / 色素増感型太陽電池 / 薄膜形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年太陽光発電が注目されている.現在は変換効率の高いシリコン型太陽電池が主流であるが,柔軟性,意匠性,低コストというメリットを有する色素増感型太陽電池も注目されている.しかし,現在の色素増感型太陽電池の変換効率は低い.そのため,高効率化への研究が行われている.先行研究では,変換効率に影響を及ぼす光電極に使用するチタニア粒子の形状変更や色素開発など化学的観点からのものは多いが,どれも大きな成果は得られていない.また,チタニア薄膜の形成方法によって変換効率を向上させる報告はあまり行われていなかった.そこで,光電極となるチタニア薄膜の形成方法に着目した.我々は静電インクジェット法を用いてチタニア薄膜の形成をしている.この静電インクジェット法で形成された多孔質構造のチタニア薄膜は,従来法であるドクターブレード法より変換効率が優れていることを明らかにした.この点から,我々は,チタニア薄膜の構造を最適化することで変換効率の向上が可能と考えた.そこで,静電インクジェット法のエバポレーションを利用した拡散プロセスに着目し,吐出距離を変更することでチタニア薄膜の構造制御を検討し実験を行った。しかし,静電インクジェット法はノズルとFTO電極間に発生する静電力を利用して吐出を行うため,距離を遠く設定すると静電力が弱まり,吐出状態が安定せず多孔質膜の形成が難しくなるという問題があった.穴あき平板電極を挿入することで,距離に依存せず,安定した吐出を行うことに成功した.この改良した静電インクジェット装置を用いて,ノズルとFTO電極の距離を変化させ吐出実験をした.その結果,チタニア薄膜の構造の変化が見られ,構造により変換効率は変化し,膜厚の最適値が異なることがわかった.
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