2015 Fiscal Year Annual Research Report
導電性ポリマーの通電加熱で駆動するマイクロフレキシブルアクチュエータ
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25420225
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
今井 郷充 日本大学, 理工学部, 教授 (20369953)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 導電性高分子 / PEDOT/PSS / アクチュエーター / MEMS / 熱変形 / 通電加熱 / 焦点可変レンズ / 導電性膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
PEDOT:PSSの通電加熱アクチュエータとしての応用(熱変形によるレンズの焦点可変機能) 前年度の研究により導電性ポリマーPEDOT/PSSの膜が通電加熱用に使用できることを確認したので,MEMS用熱変形アクチュエータとして応用することを検討した.対象としたのはレンズの湾曲部の曲率を変化させる焦点可変光学レンズである.モバイル機器等においてより小型のレンズ機構が要求されていること,PEDOT/PSSはある程度の光の透過性をもっていること,高分子導電材料のためフレキシブルであること,塗布成膜が可能(曲面や多少の表面粗さがある場合も可能)等の点から選択した. レンズの材料はフレキシブルなポリジメチルシロキサン(PDMS,屈折率1.4)とし,平凸(片面凸,反対面が平坦)および平凹形状のものを製作して,レンズ外周(直径約8mm)にPEDOT/PSSを塗布(幅約5mm,厚さ約150~200μm)した.PEDOT/PSSは極性溶媒を添加(エチレングリコール5%)して導電率を向上させた.2~4Vの電圧を印加し,レンズ中央の変位,温度,および曲率の変化を測定し,これから焦点距離の変化を算出した.レンズ中央の変位は約500μm,焦点距離の変化は約3~4%であった. PEDOT:PSSを通電加熱膜として高分子レンズに応用し,曲率を変化させることが可能であることを確認した.しかし曲率および焦点距離をより大きくするための改良が必要であることもわかり,以下の改良点が考えられる.①レンズの肉厚を小さくする.今回作成したレンズは厚さが3~4mmあり,形状をメニスカス(三日月)型とし,厚さを1~2mm程度とすると変位の大きな増加が見込まれる.②導電膜をレンズ面(但し外周部)にも設ける.今回はレンズ外部に設けたため,レンズ部の温度が十分に高くならず温度上昇にも時間がかかった.曲面に成膜する場合,PDMSとPEDOT/PSSの密着性の向上も必要である.
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Research Products
(2 results)