2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25420230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
久保田 均 近畿大学, 先端技術総合研究所, 講師 (80551704)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 稚魚選別装置 / 画像処理 / Active Appearance Models |
Research Abstract |
従来機は、鯛稚魚を麻酔により不活性にした後、人で鯛稚魚を置き台に置き、下からのLED透過照明により鯛稚魚の側面全体のシルエット画像を上部のカメラにて撮像、画像処理をし、長さ、角度、曲率、傷などの鯛稚魚の幾何的な外形形状に関する特徴量を取得していた。本年度は、従来機に対して3項目の機能追加を実施、①鯛稚魚の正面画像を取得し「口の歪み」を計測、また、より詳細な口、尾部の画像を取得し「上下口の整合度」「尾部の詳細形状」を計測するために新規の実験装置の設計・製作 ②従来機との一体運用できるように、従来機と新規の実験装置のシステム統合を実施、③顔認識に広く用いられているActive Appearance Modelを応用したアルゴリズムの開発と実験装置へのC++プログラム実装を実現した。 具体的には、新規の実験装置として、Gigカメラ3台、照明装置(リング照明2台、透過照明1台、照明電源、および付属品)、PCを購入、従来機とシステム統合する為に従来機からカメラ1台、画像処理装置を取り出し、新たにカメラスタンド、照明、鯛稚魚の置台、統合コントローラなど設計製作をした。また、従来機との一体運用するため、新規の実験装置のPCをMASTER、従来機の画像処理装置をSLAVEにする通信ソフトウエアを設計製作した。次に、AAMのプログラム実装により正面画像より「口の歪み」を検出できるようにした。具体的には、全ての鯛稚魚の訓練画像に対して口の輪郭に沿って12点のランドマークを付与登録し、訓練画像から得た口領域内の平均画像をアフィン変形させる事でモデル画像を構成する。変形に当たっては、計測対象の画像とモデル画像の輝度差が最小となるように変形する。口の歪みは、変形後の12点の特徴点を用いて、口の横方向と縦方向の2直線の角度から計算する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の計画は、従来機を改造して3項目の機能追加と稚魚の特徴量のデータ蓄積を図る予定であった。具体的には、従来機に Gigカメラ3台、および照明装置(リング照明2台、透過照明1台、照明電源、および付属品)、PCを追加することで、新たに鯛稚魚の正面画像を取得し「口の歪み」を計測、また、口と尾部のより詳細な側面画像を取得することにより「上下口の整合度」「尾部の詳細形状」を計測できるように改造する予定であったが、光学系の具体設計をする中で、従来機の改造でこれらを実現することは難しいことがわかり、新規の実験装置を設計・製作し、その中に従来機のカメラ1台と画像処理装置を組み込むことにした。また、従来機の画像処理装置は既に生産終了であり、オプションであった通信ケーブル(特殊)も販売終了であったため、メーカに問い合わせながらケーブルを製作した。 また、顔認識に広く用いられているActive Appearance Modelの理解、応用したアルゴリズムの開発と新規の実験装置へのC++プログラム実装は、使えるプログラム資産がなく1からの設計製作であり、かつ、C++プログラムに慣れていないこともあり多くの時間を費やした。 それらの複数の要因により、本年度の計画に対して若干遅れてしまったが、3項目の機能追加は一部未完成である。具体的には口と尾部のより詳細な側面画像を取得することはできているが、「上下口の整合度」「尾部の詳細形状」の検出ソフトウエアの開発が未着手、また、新規の実験装置と従来機の画像処理装置との通信のソフトウエアはできているが、一体運用するためのマンマシンIFのソフトウエアが未完成である。また、稚魚の特徴量のデータ蓄積は未着手である。これは、本年度に実験装置が完成しなかったことが原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の取り組みは、開発した実験装置を用いてできる限りの多くの評価実験を行い、熟練作業者のノウハウの抽出を行い、機械判定を作業者判定に近づけることである。そのためには、まず、実験装置が使えるように未完成部分のソフトウエアを完成させ、実際に鯛稚魚で使い勝手を評価・改良し実験装置としての使い勝手を向上させる。 次に、次年度の取り組みである評価試験による熟練者のノウハウの取得にとりかかる。具体的には、作業者毎に、変形の種類、注目領域、目視での計測項目、判断の目安、良否判断のバラツキ等を本学水産養殖種苗センターの協力を得て明らかにさせ、機械計測での計測項目の追加修正を行う。また、作業者の良否判定基準のモデル化に統計解析手法を用いて行い、その結果を機械判定に組み入れ検証を実施し良否判定アルゴリズムのパラメタをチューニングする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
端数の余りが生じた。 小型暗室購入費用の一部として次年度で使用。
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Research Products
(2 results)