2014 Fiscal Year Research-status Report
水没によって閉鎖された空間環境を探査する水中・非水中複合ロボットシステム
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25420235
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Research Institution | Sasebo National College of Technology |
Principal Investigator |
真部 広紀 佐世保工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10249881)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ロボット / 閉鎖空間 / 閉鎖水面環境 / 概形計測 / ソナー / レーザー |
Outline of Annual Research Achievements |
水中洞窟・海底洞窟・水没した地下フロアのように上方を塞がれた閉鎖水面環境の実用的なロボット探査は、海・川・湖沼などの開放水面環境を前提にしている現在の水中ロボットでは困難である。閉鎖水面環境を突破した先に広がる空間部は水中ロボットでは探査できず、非水中ロボットの投入が必要になる。本研究課題は、閉鎖水面環境とその向こう側に続く非水中空間環境の効率的な探査を実現するために、水中・非水中の両環境に対応可能な探査システムの開発と性能実証を目的とする。平成26年度は、水中・非水中それぞれの環境に対応する概形計測システムの研究と実証を進めた。
[水中ロボット]鹿児島県のアンキアライン洞窟水没部において、水中ロボットに搭載した姿勢・方位計測システムと横断面概形計測システム性能試験を実施した。水没部の低透明度に対応するため、ロボットに深度値・方位値設定の自律制御航行を行わせ、未知の水中洞窟を発見して撮影記録に成功した。また、4方向ソナーの計測によって水中洞窟の3次元概形サーフェスモデルを作成した。 [非水中ロボット]福岡県の横穴洞窟において、地上ロボットの不整地走行制御システムとレーザー測域センサーによる横断面計測システムの性能試験を実施し、横穴洞窟の3次元ポイントクラウドモデルを作成した。また、平尾台の縦穴洞窟において、飛行ロボットのレーザー測域センサーによる横断面計測システムの性能試験を実施し、縦穴洞窟の3次元ポイントクラウドモデルを作成することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究項目のうち、①ロボットのナビゲーション ②水中洞窟や非水中洞窟の3次元概形モデルのリアルタイム生成 ③ロボット間の無線通信 ④複数機のロボットの同時運用 ⑤機体間の結合/分離機構制御 であり、①~③については順調に進展している: [自律制御航行]深度値・方位値の自律制御航行システムによって、視界不良時の水中ナビゲーションが可能となり、調査されていない低透明度の水中洞窟において、水中ロボットによる内部探索・往還航行に成功した。[ソナー概形計測]水中ロボットの4方向測距ソナーによる水中洞窟横断面計測システムを構築し、未知の水中洞窟の3次元概形計測に成功した。[レーザー概形計測]非水中ロボット(地上ロボット・飛行ロボット)に搭載可能なレーザー測域センサー横断面計測システムを構築し、非水中洞窟(横穴・縦穴)の3次元概形計測に成功した。[無線通信]制御用PCと非水中ロボットの間、非水中ロボットどうしの間に無線通信システムを構築し、非水中洞窟(縦穴)の3次元概形計測に成功した。[3次元概形モデル生成]3次元概形モデルのリアルタイム生成プログラムによって、計測作業中のポイントクラウドモデル生成に成功した。
④⑤は複数機のロボットの準備が整う次年度に開始する。
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Strategy for Future Research Activity |
研究項目の ①ロボットのナビゲーション ②水中洞窟や非水中洞窟の3次元概形モデルのリアルタイム生成 ③ロボット間の無線通信 は次年度に継続して進める。 ④複数機のロボットの同時運用 ⑤機体間の結合/分離機構制御 は次年度に開始する。 ロボットの移動計測データの精度等を対照・評価するために、⑥高精度・高精細な3次元測量 を研究項目に加えて、次年度は6項目の研究を進める。
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Causes of Carryover |
洞窟形状センシング研究の次の段階として、非水中ロボットの浅深度水中仕様化と水中ロボットとの結合・分離機構の開発と実証実験のために経費を計上していた。センシング実験の実施が遅れたため、水中仕様化と結合・分離機構の研究を次年度に変更した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
非水中ロボットの浅深度水中仕様化と水中ロボットとの結合・分離機構の開発と実証実験に使用する。
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