2013 Fiscal Year Research-status Report
インバータを使用しないプレミアム効率単相永久磁石モータの最適設計
Project/Area Number |
25420240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
栗原 和美 茨城大学, 工学部, 教授 (30143142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
祖田 直也 茨城大学, 工学部, 准教授 (80323210)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 電気機器 / 省エネルギー機器 / 単相永久磁石モータ / プレミアム効率 / 自己始動 |
Research Abstract |
電気冷蔵庫は省エネ法が定める特定機器に指定されており、徹底した省エネルギー化が望まれている。本研究では、特に、冷蔵庫に使用されるコンプレッサ用駆動用モータとして、インバータを使用しないで、自己始動が可能、さらに、同期運転時にはプレミアム効率を達成できる単相自己始動形永久磁石モータの最適設計を行う。 本年度は、単相自己始動形永久磁石モータの効率を重点においた鉄損解析を中心に、国外の動向や最新の研究成果を調査するとともに、低鉄損となる固定子鉄心材料の選定と形状を中心に最適設計のための有限要素法によるシミュレーヨンを行った。まず、これまでに研究室で試作した分布巻の固定子巻線を有する単相自己始動形永久磁石モータ(定格出力70W)の最適な鉄心材料について検討を行った。ここで、薄板鉄心材料(35H210、27HX1500)を用いたときのモータ鉄損解析を行い、プロトタイプと比較して、約5Wの鉄損低減が図れ、約5%の効率向上が明らかとなった。この研究成果については、平成25年11月13日開催の電気学会回転機研究会にて報告した。これと並行して、固定子巻線の銅損(一次銅損)を低減するため、集中巻構造の固定子を設計し、始動特性、負荷特性の解析を進めた。まだ、コンデンサ容量の最適仕様が決定しないため、最適設計には達していないが、インバータを使用しないで、自己始動が可能、プレミアム効率を期待できる単相自己始動形永久磁石モータの試作に向けて大きな進展があった。現在、試作に向けて、試作機の仕様策定に向けて、最終段階の最適設計を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
単相自己始動形永久磁石モータの効率に着目した鉄損解析を中心に、低鉄損となる固定子鉄心の材料選定と形状の最適設計のためのシミュレーションを行った。その結果、0.35mmの薄板鉄心材料(35H210)を用いることにより、大幅な鉄損低減が図れることが明らかになった。さらに、集中巻の固定子を採用にすることにより、巻線端部での銅損を削減できることから、新たな固定子構造を考案し、始動特性、負荷特性の解析を進めた。また、これまでの調査結果から、この種のモータの集中巻構造のものは見当たらないが、本研究の研究成果から、インバータを使用しないで、自己始動が可能、プレミアム効率を期待できる単相自己始動形永久磁石モータの試作の目途がついた。
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Strategy for Future Research Activity |
始動用と運転用のコンデンサ容量の仕様が確定しないため、最適設計の最終段階には達していないが、早急に固定子の巻線仕様、コンデンサ容量の最適化を図り、単相永久磁石モータを試作するための仕様書を作成し、試作を依頼する。同時に、前半の研究成果を取りまとめ、国際会議論文として投稿する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定のとおり使用した。その際、研究費を節約し次年度使用額を捻出した。 円安等による原材料の高騰にも対応できるよう、次年度使用額と平成26年度支払請求額とをあわせて使用する計画である。
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