2014 Fiscal Year Research-status Report
誘電体バリア放電型オゾナイザ内部のオゾンと窒素酸化物の生成過程解明に関する研究
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25420257
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
寺西 研二 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (80435403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 直行 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (90226283)
伊藤 晴雄 千葉工業大学, 工学部, 教授 (90083849)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | オゾン / 窒素酸化物 / オゾン発生器 / 誘電体バリア放電 / レーザ光吸収法 / オゾンゼロ現象 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はオゾンリアクタ内部のオゾン密度空間分布測定時に生じる問題点の検討と,オゾンゼロ現象用リアクタの設計・製作のため同現象の発生実験を行った。オゾン密度測定時にはレーザ光をリアクタの石英窓面に対して垂直になるよう入射角を回転ステージを用いて調整するが,入射角度の微妙な違いが光透過率特性に大きく影響するという問題があった。具体的には,レーザ光を照射しオゾン生成を行うと,オゾン分子の光吸収により光透過率が減少するが,このオゾンによる光吸収以外の透過率変化の成分が観測され,これがレーザ光の入射角に依存するという現象である。この現象が生じる理由については理解できていないが,異なるグレードの石英窓を用意し,レーザ光の入射角と光透過率特性の測定を行った結果,上述した透過率の入射角依存性は,グレード不明の安価な石英窓を使用した際に顕著に観測され,高グレード(ED-H)の石英窓では殆ど観測されないことが分かった。これはグレードにより異なる光学特性が影響しているものと考えられるが,今後詳細な検討が必要である。これらの結果は,2014年9月にドイツのZinnowitzで開催されたThe 14th International Symposium on High Pressure Low Temperature Plasma Chemistry (HAKONE XIV)で発表した。高純度酸素を原料としてオゾナイザを長時間連続運転した際に観測されるオゾンゼロ現象の発生実験については,現在使用しているオゾンリアクタで発生可能であるか確認するために,同オゾナイザに99.8%の純酸素と99.999%の高純度酸素を供給し,オゾン生成を13時間行ったが,今回は同現象を観測できなかった。そこでオゾンゼロ現象が観測される実験条件や構造等について文献調査をおこない,オゾンゼロ現象観測用オゾナイザの構造について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は,光透過率のレーザ光入射角依存性や再実験等に時間を費やしたため,オゾンゼロ現象とDischarge poisoningの観測用リアクタの設計・製作等については少々遅れ気味である。しかし,以前から問題となっていた光透過率のレーザ光入射角依存性に関する問題を解決するなど着実に研究は進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
オゾンゼロ現象とDischarge poisoning発生用リアクタの設計製作に至急取り掛かり,同現象の発生実験ならびにオゾン密度分布計測を速やかに実施する。このため,両現象発生時のオゾン密度空間分布測定を同時並行で行えるよう光学系や装置の配置等を工夫する必要がある。次年度が最終年度であるため,大学院生をはじめとする研究スタッフを増員させ,研究を遂行する予定である。
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Causes of Carryover |
研究全体の進行状況を考慮して消耗品等の購入を次年度に見送ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の助成金と併せて最終年度の研究遂行に必要な消耗品,NO3検出用の660nmレーザの購入費や論文投稿費の一部として充てる。
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Research Products
(3 results)