2013 Fiscal Year Research-status Report
鉄芯の積層構造と鋼板中の渦電流を考慮した磁界解析による誘導機の漂遊負荷損の低減
Project/Area Number |
25420261
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
村松 和弘 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30263627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高 炎輝 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40586286)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 電気機器工学 / 磁界解析 / 積層鉄芯 / 誘導機 / 鉄損 |
Research Abstract |
本研究課題では,研究代表者らによって開発された「積層鉄芯の層間ギャップと鋼板中の渦電流を考慮した鉄損解析法」を誘導機に適用するため回転磁束が考慮できるように改良するとともに,開発した解析手法を用いて,現状の設計技術では評価困難な負荷時のスロット高調波成分の増加などに起因する漂遊負荷損の発生メカニズムを明らかにしてその低減を図り,大幅なコストアップを必要としない高効率な誘導機を開発することを目的としている. 本年度は,上記積層鉄芯のモデリング手法を回転磁束が考慮できるように改良し,その妥当性を検証した.まず,積層鉄芯のモデリング手法では,積層鉄芯を塊状鉄芯で近似した磁界解析で積層鉄芯の層間ギャップと鋼板中の渦電流を考慮するため,塊状鉄芯の要素毎に別途鋼板解析を行うが,この鋼板解析を従来の一次元解析から三次元解析に拡張し,磁束の方向変化まで考慮できるようにした.その際,鋼板解析の分割図は,計算時間削減のため,鋼板が面内方向に無限に広いと仮定しこの方向には1分割のみとし,塊状鉄芯で得られた任意方向の磁束を方向を考慮して印加できる境界条件を明らかにした.その結果,実用的な計算時間で回転磁束を考慮できる積層鉄芯のモデリング手法が開発できた.また,開発したモデリング手法の妥当性を検証するため,本提案法を簡易モデルに適用し,積層構造を忠実にモデル化した解析結果との比較を行った.その結果,提案法では積層鉄芯端部の磁束分布の表現はできないが,鉄芯全体の平均磁束密度や渦電流損は精度良くモデリングできることを明らかにした. 今後は,今年度開発したモデリング手法において磁気特性の非線形性が考慮できるようにさらに改良するとともに,実機に適用する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目的である「積層鉄芯の層間ギャップと鋼板中の渦電流を考慮した鉄損解析法を誘導機に適用するため回転磁束が考慮できるように改良する」に対して,線形解析のソフトウェアが開発でき,妥当性まで検証できた.しかしながら,非線形解析の開発までは至らなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度開発したモデリング手法において磁気特性の非線形性が考慮できるように改良するとともに,計画通り,大規模数値解析法を導入し,実機に適用し,漂遊負荷損のメカニズムを明らかにする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
積層鉄芯の非線形解析法が完成しなかったため,磁気特性の測定に必要な電力増幅器の仕様が確定できず,次年度に購入することとした. 積層鉄芯の非線形解析法を完成させ,磁気特性の測定に必要な電力増幅器の仕様を確定した後購入する.
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Research Products
(3 results)