2014 Fiscal Year Research-status Report
鉄芯の積層構造と鋼板中の渦電流を考慮した磁界解析による誘導機の漂遊負荷損の低減
Project/Area Number |
25420261
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
村松 和弘 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30263627)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高 炎輝 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40586286)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 電気機器工学 / 磁界解析 / 積層鉄芯 / 誘導機 / 鉄損 / 横流損 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,研究代表者等によって開発された「積層鉄芯の層間ギャップと鋼板中の渦電流を考慮した鉄損解析法」を誘導機に適用するため回転磁束が考慮できるように改良するとともに,開発した解析手法を用いて,現状の設計技術では評価困難な負荷時のスロット高調波成分の増加などに起因する漂遊負荷損の発生メカニズムを明らかにしてその低減を図り,大幅なコストアップを必要としない高効率な誘導機を開発することを目的としている.昨年度は,上記積層鉄芯のモデリング手法を回転磁束が考慮できるように改良し,その妥当性を確認した. 本年度は,まず,漂遊負荷損である積層鋼板中に流れる横流により発生する横流損の解析方法を開発した.橫流損を評価するためには,橫流は三次元的に流れるため,三次元渦電流解析が必要となる.しかしながら,誘導機の運転時の定常状態の解析では,定常状態になるまで膨大なステップが必要であり,計算時間も膨大となる.そのため,定常運転時の横流解析の計算時間を削減するため,まず二次元解析により定常運転時の磁束分布の時間的変化を求め,これを用いて横流による反作用磁界を無視した三次元渦電流解析により横流を後処理的に算出する二次元・三次元併用渦電流解析法を提案した.また,誘導機の簡易な三次元モデルを用いて,提案法の妥当性を検証し,提案法は短い計算時間で横流損の傾向を把握できることがわかった. さらに,誘導機の磁界解析の高度化として,共有メモリー型並列計算用ソフトウェアの開発,及び時間微分項の取扱法の検討を行った.前者は十分なスケーラビリティが得られなかったため,今後は分散メモリー型並列計算の開発を行うこととした.後者については,従来用いていた後退差分法より,Newmark法の精度が良いことを示した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,「回転機の三次元磁界解析法の高度化」と「現行の誘導機の解析」を行う予定であった.「回転機の三次元磁界解析法の高度化」に関しては,漂遊負荷損の一つである横流損評価のための二次元・三次元併用解析法,共有メモリー型並列計算ソフトウェアの開発,時間微分項の取扱法の検討を行ったが,並列計算による速度向上が十分に得られず,現行の誘導機の解析を行うことができなかった.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度が最終年度となるため,早急に分散メモリ型並列計算用ソフトウェアの開発を行い,現行の誘導機の漂遊負荷損の解析,低損失化のための改善設計を行い,その効果を確認することにより,研究を完了したい.
|
Causes of Carryover |
当初,誘導機の大規模三次元解析を行うために,共有メモリー型並列計算機の購入を予定していたが,共有メモリー型並列計算用ソフトウェアを開発し予備計算を行ったところ,所望の速度向上が得られなかったため,購入を見送った.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度には,共有メモリー型並列計算でなく,分散メモリー型並列計算用ソフトウェアの開発を行い,速度性能を確認した後,大規模磁界解析用並列計算機を購入する.
|
Research Products
(4 results)