2013 Fiscal Year Research-status Report
広い可変速・高効率領域を持つクローポール型半波整流可変界磁モータの開発
Project/Area Number |
25420262
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
阿部 貴志 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30222649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 剛 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50156577)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 同期電動機 / 可変界磁法 / ダイオード整流方式 / クローポール回転子 / 半波整流ブラシなし同期電動機 |
Research Abstract |
1) 半波整流可変界磁モータの1次試作:有限要素法ソフトを利用して本モータの一時試作設計を実施した。この解析において,三角波を重畳した三相交流を固定子巻線に供給し,回転子界磁巻線はダイオードで単相短絡するなど,本モータの特徴を考慮した解析によって一次設計を実施した。この一次設計では,実験システムの制約を考慮し,2kW程度を出力目標とし,トルク計測器や負荷装置から最大トルクや回転数を決めた。さらにインバータの定格より電流や電圧定格を決定し,台座の寸法からモータ外径にも制約を設けた。さらにこの1次試作では,設計通りの特性が得られるかを確認することを目的とするため,本来は不要であるが,回転子界磁巻線に流れる半波整流された界磁電流の確認用にブラシとスリップリングを施し,外部にてダイオードが接続可能なように設計した。以上の一次設計を用いて,サイエンスリサーチ株式会社(研究協力者:犬塚勝利氏)に作成を依頼し,2014年2月に納入した。 2) 連成解析による特性評価:有限要素法ソフトと回路シミュレータによる連成解析にて,半波整流可変界磁方式の制御方法を考慮した,本モータの基本特性評価を実施可能なシミュレーションシステムを研究協力者である重松浩一氏(サイバネットシステム株式会社)のアドバイスにて構築した。この評価システムを利用して,クローポール形状の本モータに適した,半波整流界磁可変方式の制御手法について検討し,界磁巻線電流とトルク電流とのバランス評価などを実施した。 3) 実機の特性評価準備:納入されたモータの基本パラメータを測定し,駆動実験を実施するために,実験システムの構築にも取り組んでいる。研究室に既存の制御システムを転用可能なように変更し,調整を行っている。このシステムが完成次第,パラメータ測定を実施し,設計手法の有用性を確認する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1) 半波整流可変界磁モータの1次試作:本電動機の特長である,固定子巻線より回転子界磁巻線の界磁を制御する手法を考慮して,有限要素法ソフトによる設計を実施しており,予定していた一次設計を完了し,試作機も年度内に納入した。 2) 連成解析による特性評価:有限要素法ソフトと回路シミュレータによる連成解析手法を確立し,予定通り,半波整流界磁可変方式の制御手法について検討し,界磁巻線電流とトルク電流とのバランス評価などを実施している。ただし,連成解析手法では1回の解析時間が非常に多く必要となり,完全連成解析ではなく,予め有限要素法にて解析した結果を回路シミュレータに導入する,片方向連成を実施した。多少の解析精度の劣化はあるが,本目的を達成するには十分である。 3) 実機の特性評価準備:特に本年度の計画には記載していなかったが,26年度の計画を実施するための準備段階として,実験システムの改良にも取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画どおり進んでおり,特に変更点は無い。また課題も特に無く,順調に進んでいる。ただし,出力をより大きくするために,回転子巻線のターン数を多く巻いたため,実機のパラメータ測定において,既存の測定器では飽和特性を考慮した測定が難しく,インバータ駆動時での測定を実施するために,実験システムの改良に取り掛かった。 来年度の研究において,回転子の最適設計を実施する予定であるが,設計においてトルクを大きく,リプルを少なく,という条件以外に,可変界磁法をより有効にする設計方針を加える予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画よりも旅費の支出が増え,そのために消耗品の購入を抑えたことにより,小額の残金が発生した。 試作モータの駆動用実験システムを改良する際の消耗品に当てる。
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