2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25420263
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
和田 圭二 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (00326018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 敏久 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (30254155)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高周波インバータ / PWM / デッドタイム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,高周波PWMインバータを実現するための回路実装とゲート駆動回路について検討した。はじめに,電力用半導体素子(MOSFET)の冷却と絶縁を確保するために,TO-247パッケージを採用した強制空冷方式において低熱抵抗を実現する手法を回路実装としてヒートシンク分割手法を提案した。次に,高周波PWMインバータにおいてデッドタイム最小化手法を検討した。ここでは,ゲート電圧を従来の1/3にする低電圧ゲート駆動回路を提案し,その結果,実質上デッドタイムが0nsを実現する回路を提案した。この手法は,従来と同じゲート駆動回路構成であるために,追加回路・制御を一切必要としない点に特長がある。本研究での提案法により上下のアームのMOSFETが同時にオン状態になってもMOSFET に過電流が流れることはないため,インバータ回路にデッドタイムを設ける必要がないことを実験により明らかにした。本研究の提案手法を明らかにするために,Si-MOSFETを用いた単相PWMインバータを設計・製作し,直流電源電圧300 V,スイッチング周波数500 kHzの実験を行った。提案法によるデッドタイムゼロ動作は,デッドタイム300 nsとしたときと比べて,出力電力と効率向上が可能となることを実験により示した。これらの実験結果より,スイッチング周波数と熱抵抗の限界を解析的に明らかにした。しかしながら,Si-MOSFETを用いた場合の電力変換効率は60%程度と実用化にするには難しいことを明らかにした。そこで,さらなる高効率化と大電力化を目的として,最新のパワーデバイスを用いた高周波インバータの回路実装について予備検討を行い,GaNパワーデバイスを用いることで90%以上の高効率化の可能性について示した。
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