2013 Fiscal Year Research-status Report
時間関数最適化に基づくPMSG風力発電機数値制御の実験
Project/Area Number |
25420265
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
熊野 照久 明治大学, 理工学部, 教授 (80371243)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | PMSG風力発電機 / アナログ-デジタル・ハイブリッド実験装置 / 変分法 / 最適化 |
Research Abstract |
PMSG型風力発電機の出力最大化と系統電圧変動抑制を同時に満たす次世代制御方式の実現に向けて,以下を実施した: ①本研究で用いる実験装置のハードウエアを選定,導入した。特に重要な可制御直流電源は,風力発電機本体周辺を数値モデル化して組み込む対象となる部分である。また,実験に必要な三相交流電源など,系統側の各種機器も整備を終了した。これら機器については,実証実験の実施に向けてその基本的な取扱いに習熟した。次に,②Euler方程式に基づく既存制御プログラムを組み込むために,上記ハードウエアの制御プログラムの作成を開始した。また,③風車,風力発電機,発電機側コンバータ等の数値モデルをプログラム化し,系統側コンバータより系統側の諸要素も数値モデル化し,これらをソフトウエア的に結合して既存変分法最適化プログラムを実行して効果を確認した。最後に,④可制御直流電源が予定よりも安価に導入できたため,初年度予算の範囲内でPMSG方式の回転型小型発電装置を導入した。 上記については,それぞれ以下のような意義を持つ: ①では,実験で扱う装置の取扱いの基本が修得できた。これは実験を行う上で最低限必要な技能であり,欠かすことのできない技術要素である。次に,②ではハードウエアの制御プログラムは未完であるが,いくつかの基本ブロックの動作が確認できた。今後,さらにコードを追加し,結合していく準備が整った。また,③では,風車,風力発電機,発電機側コンバータは本研究の最終段階でも数値的に表現する部分であり,ここで用いるモデルの初期段階が作成できたといえる。また,本研究で用いる制御論理の原理的有効性が新しい形で確認できたといえる。最後に,④では,回転型小型発電装置の導入は当初計画になかったものであるが,今後,より実機に近い条件でさらなる実験を進めるために有効に活用可能であると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第一に,実験手順の詳細を調整することによって,装置を当初想定していたよりも安価なものに変更できたため,当初予定になかった回転型の発電装置が導入できたことが挙げられる。また,これら装置群の取扱いの基本が修得でき,ハード面の研究は当初計画よりも先んじて進捗している。 ただし,ハードウエアの制御プログラムが未完であり,ソフト面の研究の進捗が若干遅れているといえる。この面は今後検討を重点的に行って研究を加速する必要がある。 本研究で対象とするシステムの各種モデルの開発はほぼ終わっており,また用いる制御論理の原理的有効性も確認できた。これら理論面では,ほぼ当初計画どおりの進捗であり,順調といえる。 以上まとめると,理論面は計画どおり順調,ハード面は計画以上に進捗,ソフト面は計画に比べてやや遅れぎみであるので,全体としては,おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの達成度」で述べたように実験装置に関するソフト面の作業の推進が急務であり,ここを重点的に進める。このために今まで以上に学生アルバイトなどを用いてブロックごとのプログラム作成や,その動作確認,調整を精力的に行う。 一方,ハード面でも,新たな機器の導入によって2年度以降に検討すべき内容も増えている。たとえば本研究のキーとなるノイズなどの影響の排除についても機器の広がりによって対象とするノイズの状況への影響を再度慎重に見直すこととする。 理論面については期待どおりに進んでいるため,本研究の眼目はあくまでハードウエア実験ではあるが,まずはこの部分で得られた諸成果を外部に発信する。具体的には,ここだけにベースをおいた研究論文を作成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「達成度」の項にも記したように,実験手順の詳細を調整することによって,装置を当初想定していたよりも安価なものに変更できたため,予算に残額を生じた。 「今後の研究の推進方策」にも記したように,実験装置の制御ソフトウエアシステムの構築・整備に向けて,より以上に学生アルバイトを活用して研究の加速をはかる。
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