2013 Fiscal Year Research-status Report
スマートハウスと連系するワイヤレスV2Hシステム用新形非接触双方向給電装置の開発
Project/Area Number |
25420272
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
大森 英樹 大阪工業大学, 工学部, 教授 (20613681)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ワイヤレスV2Hシステム / 非接触双方向給電 / スマートハウス / シングルエンデッドインバータ / 共振形インバータ |
Research Abstract |
スマートハウスは自然エネ大量導入に対して電力系統の安定性を維持するシステムとして期待されている。蓄電池が高コストであることが課題であるが,電気自動車(EV)を家庭に接続するV2H(Vehicle to Home)が有力な解として注目されている。これを非接触給電で実現できれば幅広い利用者が容易に扱え,普及拡大が期待できる。従来の双方向非接触給電装置は8つのパワースイッチング素子を必要とし,構成が複雑で高価なため,家庭用であるV2Hには適していなかった。 そこでわずか2つのパワースイッチング素子で動作する新しい双方向非接触給電装置を実現し,シンプルかつ低コストで性能のよいワイヤレスV2Hを提供することで,EVの付加価値向上による普及加速と,スマートハウスの拡大によって電力供給の安定性確保と低炭素化に貢献する。 平成25年度は,最近開発した非接触EV充電装置を基礎に,わずか2つの素子で動作するシンプルかつ低コストの双方向非接触給電装置の基本回路開発を行った。スイッチング素子の逆方向電流が電源に回生することを利用して受電電力を取り出し,また受電コイル回路を共振回路構成として伝送性能の向上を図ると同時に給電時にはその共振を利用してソフトスイッチング動作をさせることによって,シングルエンデッドインバータの双方向化を実現する回路構成を考案した。また、漏れインダクタンスを利用した共振で給電時のソフトスイッチング動作を安定に確保する発振制御回路を検討して,制御システムの基本部分を完成した。そして,これらインバータ基本構成,磁気結合と双方向給電動作について試作検証を行った。さらに、実用化に関わる基本課題の一つである給電/受電コイルからの漏洩磁界を検討し、国際安全基準を十分に満たし、かつ伝送効率も向上させる対策として磁路形成と渦電流遮蔽を併用する手法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の平成25年度計画の,わずか2つの素子で動作するシンプルかつ低コストの双方向非接触給電装置の基本回路開発を行い、シングルエンデッドインバータの双方向化を実現する回路構成を考案、これらインバータ基本構成,磁気結合と双方向給電動作について試作検証を行った。設計手法の検討は平成26年度に取り組むこととしたが、平成26年度に計画していた制御システムの基本部分や、実用化に関わる基本課題の一つである給電/受電コイルからの漏洩磁界の対策法を先行して開発した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、インバータの設計手法を確立するとともに、伝送電力を制御するシンプルな電力制御回路や,充放電のシームレス切替を行える潮流制御回路なども検討して,制御システムを考案する。また、パワースイッチング素子の動作信頼性や,電磁ノイズ,電源力率など,実用化に関わる基本課題の抽出・対策を行って基本システムを完成させる。 平成27年度はワイヤレスV2Hシステムとしての製作を行い,スマートハウスシステムに組み込んで,応用上の課題を検証する。 以上のような研究で,従来の双方向インバータと異なる新しい動作原理の双方向非接触給電方式を確立し,シンプルかつ低コストで性能のよいワイヤレスV2Hシステムを提供する。その結果,環境性に優れた電気自動車の付加価値や利便性を向上してその普及を加速し,スマートハウスによる自然エネ発電の平準化や家庭電力の負荷率改善を拡大して,低炭素化と電力供給の安定性確保や電力コストの抑制に貢献することが期待できる。
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