2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25420282
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
鮫島 俊之 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30271597)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 智久 神奈川大学, 理学部, 教授 (60386810)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ソーラーセル / パッシベション膜 / 低温プロセス技術 / キャリアライフタイム / マイクロ波吸収 / 光誘起フリーキャリア / 水蒸気熱処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)結晶シリコン表面を効果的にパッシベーションする酸化膜形成手法を開発した。 110℃に加熱した水に結晶シリコン基板を1時間浸すことにより基板表面に0.7nm厚の酸化薄膜形成に成功した。n型シリコン基板において、2 msに達する高い実効キャリヤライフタイムを達成した。本技術を用いない場合、当該基板のライフタイムは10μs程度であり、1000倍を超えるライフタイムの増大が確認された。また、本技術によるパッシベーション効果は試料サイズによらず達成できることを確認した。即ち、大きな基板であっても加熱水にに浸すことで表面全体がパッシベーションできることを確認した。加熱水処理により得られたライフタイムは、2000hの常温大気中保存下後も高い値を維持した。
2)本加熱処理技術を用いてMIS型ソーラーセルを試作した。①まずn型及びp型のシリコン基板を加熱水処理して表面にパッシベーション薄膜を形成した。②そしてAlとAuの仕事関数の異なる金属電極を試料基板の片面に形成した。③暗状態及び試料の反対面からAM1.5光を当てて電流電圧特性を調べた。簡単なプロセス技術で作成する基礎技術となる技術を開発に取り組んだ。その結果、全ての試料において顕著な整流特性が得られ、シリコン内に内蔵電位が形成されていることが確認できた。さらに、パッシベーション薄膜を通じてトンネル電流が取り出せることを見出した。光照射により大きな光誘起電流と起電力が観測され、ソーラーセル動作を確認した。そして、p型シリコン基板上に作成したMIS型シリコンソーラーセルにおいて8%の実効効率を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・達成度100% ・110℃の加熱水の新しいパッシベーション技術開発に成功した。 ・2msに迫る高いライフタイムを達成した。 ・基板種類サイズによらず低温簡便に表面パッシベーションが達成できることを確認した MISソーラーセルの試作に成功した。
|
Strategy for Future Research Activity |
①加熱水処理の最適パッシベーション条件を調査する。 ②パッシベーション効果の対環境耐久性を詳細に調査する。 ③パッシベーション薄膜の構造解析を調査する。 ④高いライフタイムが得られる物理の解明に取り組む。 ⑤電極パターンの最適化を図り高効率MISソーラーセルを目指す。
|
Causes of Carryover |
①現有の装置で新規パッシベーション技術を開発できた為。 ②昨年度までの在庫材料でパッシベーション効果の実証、ソーラーセルの試作ができた為。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
①加熱水処理の最適パッシベーション条件を調査のために新規材料購入を行う。②パッシベーション効果の対環境耐久性を詳細に調査するために人件費を予定する。③パッシベーション薄膜の構造解析を調査するために外注費を見込む。④高いライフタイムが得られる物理の解明に取り組むために外注費を見込む。⑤電極パターンの最適化を図り高効率MISソーラーセル作成を目指すために人件費及び新規材料購入費を予定する。 ⑥成果発表のために旅費、学会参加費を予定する。
|
Research Products
(2 results)