2013 Fiscal Year Research-status Report
次世代半導体デバイスのための不純物分布計測技術の開発
Project/Area Number |
25420285
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 成泰 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (70217032)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 電子線誘起電流 / EBIC / SEM / シリコン / 不純物濃度 |
Research Abstract |
今年度は,実験系の構築および観察実験の準備を行った。まず,現有のFE-SEM(日立 S-4300)を用いてEBICが取れるようにした。また,本研究では,様々な加速電圧に対してEBIC電流量を測定する必要があるため,エミッション電流を正確に制御する必要がある。FE-SEMでは,通常,エミッション電流は時間とともに減少し,加速電圧を変えると,エミッション電流量も変わる。そこで、本研究では,EBIC測定のたびにビーム電流量を正確に測れるようにファラデーカップを購入し、SEMに取り付けた。 観察実験は、イオン注入により表面近傍に濃度変化を導入したp型シリコンをテスト試料として行った。試料は、機械研磨法および通常の断面TEM試料作製法であるイオン研磨法で薄片化した。薄片化試料には、一方の面にはオーミック電極を、もう一方の面にはショットキー電極を形成し、EBICの観察を行えるように加工した。EBIC観察は、ショットキー電極側から電子ビームを入射して行った。 どちらのタイプの試料も試料端近傍は楔型であり、試料端近傍で不純物濃度の変化に対応したEBICの変化が見られた。これは不純物濃度により空乏層の幅が変わることによるもので、不純物濃度の定量評価が可能であることを示している。一方、膜厚一定としたときのEBICの変化はかなり小さい。これは、予想していたことではあるが、今後測定に工夫が必要である。2つの試料を比べると、機械研磨の方は、楔の出来方が理想的で膜厚の推定が容易であり、EBICの電流量も多い。一方、イオン研磨法の試料は、試料作製は容易であるが、楔が理想的でなく、EBICも概して少ない傾向にあった。今後、試料の作製法についても検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EBIC信号量が少なく、僅かな変化を十分に捉えられておらず測定法に改善の余地はあるものの、EBICの実験を行い有用な知見を得ることが出来たから。
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Strategy for Future Research Activity |
不純物濃度分布の定量的評価及び空間分解能の観点で研究を進める。試料は、シリコンを新たに薄片化加工して用いる。薄片化の手法及びEBIC測定の方法については、測定や解析の容易さの観点から引き続き検討を行う。また、実験的に得られたEBICから不純物濃度を推定するためのプログラムを開発する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ファラデーカップの納入が遅れたために実験系の構築が遅れ、測定系の改善まで研究を進められなかったため。 測定系の改善を行う。EBIC電流量の微少な変化を正確に測定するために、低ノイズ電流アンプ及びA/D変換ボードを購入し、デジタル的に信号処理が行えるようにする。
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Research Products
(2 results)