2015 Fiscal Year Research-status Report
次世代半導体デバイスのための不純物分布計測技術の開発
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25420285
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
田中 成泰 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (70217032)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 電子線誘起電流 / EBIC / SEM / シリコン / 不純物濃度 |
Outline of Annual Research Achievements |
引き続きEBICの観察実験、および実験結果を解釈するためのシミュレーションを行ってきた。実験は、楔形に加工したシリコンテスト試料の一方の面にショットキー電極を他方にオーミック電極を形成し、オーミック側から電子を入射して行った。EBIC電流を楔の方向、すなわち厚さの増加方向にみたとき、不純物濃度に依存したある厚さの位置で最大を示した。このことは、ショットキー側にできた空乏層の厚みが不純物濃度に依存して変わるためであり、これを利用することで濃度分布を評価することができる。実際に濃度分布を求めてみたところ、表面から1μmまでの範囲で予想される分布との違いがみられた。また、実験では、試料の最先端部でEBIC電流が流れない領域があることも見出された。この領域は空乏化領域であり、この領域の幅からも不純物分布が推定される。実際に推定してみた結果は、前述の手法と同様の結果となった。この違いが本手法の限界を示すものであるのか、あるいは、予想が違っていたのか検討する必要がある。試料は、通常の断面TEM試料作製時のようにface-to-faceで貼り合わせ、楔に研磨しているが、表面付近は削れ方が若干内部と異なるので、楔の角度が違っていることも考えられる。現在、楔の角度が変わっていることを考慮したシミュレーション計算を進める一方で、より品質の良い試料を作製できるように作製条件を工夫して実験を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大学を異動したためSEMなどの研究機器の移設を行ったが、研究環境の構築に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度が最終年度であるので、不純物濃度の定量的評価および空間分解能の観点で研究を進め、本手法の限界を見極める。このために、シュミレーションプログラムを作成して観察結果を説明できるようにするとともに、観察実験も行って結果の理解を深める。
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Causes of Carryover |
H27年度に大学を異動し研究の進捗が遅れたために来年度に引き続き研究が必要となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主として実験を行うための消耗品に使用。
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