2013 Fiscal Year Research-status Report
空間分解分光学的見地からのIII族窒化物不均一混晶半導体の発光機構解明
Project/Area Number |
25420288
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
倉井 聡 山口大学, 理工学研究科, 助教 (80304492)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 窒化アルミニウムガリウム / ドーピング / カソードルミネッセンス / 混晶半導体 / 顕微分光 |
Research Abstract |
Si添加されたAl組成0.6の窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)混晶薄膜の微視的な構造不均一性について、走査電子顕微鏡(SEM)/カソードルミネッセンス(CL)マッピング法を用いて評価した。 Si添加量の増大とともに表面ヒロックが発展し、ヒロック端に局所的な発光が観察されることを見出した。この局所発光はバンド端発光より0.4~0.5eV低エネルギー側に発光ピークを有するDAP発光であることがわかった。このような局所発光はSi添加を行わない場合には、ヒロックが存在ていても観測されなかったことから、混晶の組成分離等では説明できず、Siが関与した発光であると考えられた。 Si添加されたAl組成の異なるAlGaN混晶薄膜についても同様の評価を行った結果、Al組成の減少に伴い歪み緩和を起源とする表面ヒロックが発展すること、低Al組成でヒロックが発展した試料ではSiが起源と考えられるヒロック端の局所発光が観測されること、ヒロックが見られない平坦な表面の高Al組成AlGaN混晶薄膜においては、このような発光は観測されないことがわかった。 以上から、この局所発光は高密度欠陥およびそれに伴う歪み場が存在するヒロック端部にSi不純物が取り込まれることによるDAP発光であると結論づけた。DAP発光エネルギーから、アクセプタのエネルギー準位を見積もり、Al組成の変化に伴うバンドの変化に沿って変化することがわかった。これは酸素とIII族空孔の複合欠陥において、アクセプタ準位がバンド内でピン留めされていることとは異なる傾向であった。以上の結果およびアクセプタエネルギーによる類推から、この局所DAPに関わるアクセプタの起源として、SiとIII族空孔の複合欠陥アクセプタや、窒素サイトに置換したSiアクセプタを考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
混晶組成比、Si添加量の異なるSi添加AlGaNのカソードルミネッセンスマッピング評価により、当初の研究目的であるAlGaNへのSi添加に伴う局所発光の起源に関する一定の結論を得た。これにより目的の一部を達成した。また、AlGaN混晶薄膜の混晶不均一揺らぎに関する評価、AlGaN/AlGaN多重量子井戸の評価を進め、結果を得つつある。温度依存性評価については、上記課題解決後に実施する予定である。 なお、これら研究の安定的遂行を目的として、本年度は研究経費の前倒し申請を行い、突発的な装置障害への対応を実施できたため、順調に計画を達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
AlGaN混晶薄膜の混晶不均一揺らぎに関する評価、AlGaN/AlGaN多重量子井戸の評価を進め、現在得られつつある結果とともに成果をまとめる。 同時にGaInN系混晶材料についてカソードルミネッセンスマッピング法の電流依存性・温度依存性評価を開始する。像の変化が得られた場合、近接場光学顕微分光法による評価結果と比較しながら、現象の解釈を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前倒し予算請求により機器の障害復旧を実施したため、元々の予算が圧迫されている。努力により予算圧縮し次年度に備えた。 消耗品費、論文投稿料として使用する予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] CL measurement of AlGaN grown on the off-oriented AlN substrate2014
Author(s)
Mitsuaki Suda, Katsushi Nishino, Satoshi Kurai, Yoichi Yamada
Organizer
6th International Symposium on Advanced Plasma Science and its Applications for Nitrides and Nanomaterials/ 7th International Conference on Plasma-Nano Technology & Science
Place of Presentation
Meijo University, Nagoya, Japan
Year and Date
20140302-20140306
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