2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25420304
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
箕田 充志 松江工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (00311069)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 落雷 / 放電 / 冬季雷 / 避雷 |
Outline of Annual Research Achievements |
風力発電は新エネルギーとして世界的に大規模な実用化が進んでいる。大型の風車が設置されるにつれ落雷による被害も増加している。落雷はブレード先端部分に落ちやすいことから,先端部分には受雷部が設けられている。雷電流は受雷部よりブレード内部のダウンコンダクタを通ってアースに導かれる。これによって風車の落雷事故を低減している。 一方,落雷が受雷部に導かれずブレードを破壊してしまう被害も発生している。落雷によりブレードが破壊される事故が生じた場合,風車の長期の運転停止,復コストの発生などにつながる。このことから,高い確率で雷電流を受雷部に導く必要がある。 本研究では,雷を導くシステムの構築としてブレードの沿面放電に着目した研究を進めている。ブレード表面の粗さが沿面放電特性に及ぼす影響について検討した。また主に実機レベルの試料による効果を検討した。 その結果,水滴を配置すると放電電圧は低下し,粗面処理を行うと水滴を保持する能力が高まり放電電圧を低下させることがわかった。さらに,高速カメラの画像から,水滴などを介してテープの段差に沿って放電が進展し誘導されていることがわかった。 実際の風車ブレードスケールにおいても,同様の現象が観測された。このことから大型風車において沿面放電を受雷部まで導く可能性が示された。これにより実際の風車ブレードにおける雷被害対策の一つに本研究の成果が役立てられると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験室における放電実験およびメカニズムの解明が進んでいる。また,実験室の基礎的研究を応用したフィールドテストの実施も行い,実際の風力発電機で研究の効果が見られた。
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Strategy for Future Research Activity |
実験室レベルにおける検証を実施し,風力発電システムの落雷被害からの防護を実現しつつある。実際の落雷データの蓄積および,実験室におけるブレード表面の放電特性について,自然界に近づけた条件を考慮し,実機における落雷被害の低減を図る予定である。
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Causes of Carryover |
研究初年度におけるシステムを利用し効果的に継続実験を行ったため消耗品費をおさえることができた。また,研究過程でデータ整理を自己で行ったため人件費は不要となった。このことから研究費を繰り越すことが可能となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究過程で,現地調査および試験に伴う旅費などが発生するため,その費用に充てんする。さらに,成果をまとめ学会にて発表する。
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Research Products
(6 results)