2013 Fiscal Year Research-status Report
メタマテリアルを用いた超伝導フィルタの新しいチューニング手法の開発
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25420315
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Research Institution | Yamagata University |
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Principal Investigator |
大嶋 重利 山形大学, 理工学研究科, 教授 (40124557)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 超伝導エレクトロニクス / 超伝導フィルタ / 電磁界シミュレーション / HTS |
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| Research Abstract |
平成２５年度では、電磁界解析シミュレータを用いて、次のことを検討し、新たな知見を得ることができた。1.検討事項 (1)誘電体、磁性体、超伝導共振器を用いたトリマーロッドを共振器上に配置させ、それを上下、軸方向に移動させた時の共振周波数シフトを電磁界解析シミュレータにより検討した。(2)中心周波数2GHzの超伝導バンドパスフィルタの周波数特性を各種トリマーでチューニングした時のフィルタ特性を検討した。
2. 新たな知見 (1)誘電体、磁性体トリマーロッドでは、従来の結果と同様に、共振器の共振周波数は低周波側にシフトすることを確認したが、超伝導共振器を用いたトリマーロッドでは、高周波側にシフトすることを見出した。(2) 超伝導バンドパスフィルタを超伝導共振器トリマーでチューニングすると、中心周波数は高周波側にシフトし、帯域はほとんど変化しないことがわかった。これは、今までに報告されていない新しい成果であり、超伝導フィルタの共振周波数を、低周波側、高周波側両方にシフトできる機構を構築できる可能性を見出した成果である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超伝導ヘアピン共振器を有する、３段超伝導フィルタの共振周波数シフトについて、電磁界解析シミュレーターにより次のことを検討し、目標とした成果を得たから。
得られた成果
（１）ヘアピン共振器上に誘電体ロッド、磁性体ロッドおよび超伝導薄膜共振器ロッドを配置した時、ヘアピン共振器の周波数シフトがどのように変化するかを検討した。その結果、誘電体、磁性体ロッドを配置した時は、低周波側にシフト、超伝導薄膜共振器ロッドを配置すると高周波側にシフトすることを明らかにした。
（２）３段ヘアピンバンドパスフィルタを設計し、その共振器上に超伝導薄膜共振器ロッドを配置した時に、フィルタ特性がどのように変化するかを検討した。その結果、フィルタの中心周波数は高周波側にシフトし、更にバンドパスフィルタの帯域は変化しないことを明らかにした。また、誘電体ロッドや磁性体ロッドを配置すると中心周波数は低周波側にシフトすることを明らかにした。
以上の結果は、超伝導フィルタの特性を劣化させずに、中心周波数を高周波側、低周波側にシフトできる機構ができることを見出した成果である。この成果は、今まで報告されていない、まったく新しいものである。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成２５年度では、電磁界シミュレーションにより、超伝導薄膜共振器ロッドを用いると、フィルタの中心周波数を高周波側にシフトできることを始めて明らかにした。しかしこれは一つの共振器をフィルタの共振器上に配置したときの成果である。残念ながら本プロジェクトのタイトルにもあるように、メタマテリアルの性質を利用した新しいチューニング法の開発ではない。超伝導共振器をメタマテリアル的にするためには、その共振器を複数配置した、周期的な共振器配置をしたロッドを検討する必要がある。そのために、平成２６年度では次のことを検討する。
（１）複数の共振器を配置したロッドの設計及びそれを用いた時のフィルタ特性の変化の検証。
また、今までは、電磁界解析シミュレータを用いた検証が主であり、実際の超伝導フィルタを試作していない。平成２６年度では、３段のヘアピン型超伝導フィルタを試作し、その基礎実験を行う。
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Research Products
(6 results)
