2015 Fiscal Year Annual Research Report
60GHz帯次世代超高速無線通信用ミリ波広帯域フィルタに関する研究
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25420319
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
馬 哲旺 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (40282909)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 無線通信 / ミリ波 / 広帯域フィルタ / マイクロストリップ線路 / マルチモード共振器 / 周期構造 / 周波数特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度行った主な研究内容は以下の通りである。 (1)マイクロストリップ短絡スタブを用いた広帯域帯域通過フィルタ(BPF)の小型設計と阻止域特性の改善を行った。設計例として、短絡スタブを用いた9段広帯域BPFと広帯域帯域阻止フィルタを組み合わせた構造を小型に設計試作測定し、中心周波数6.85GHz, リップル比帯域幅95%、中心周波数における挿入損失1.4dB、通過域内における群遅延の変動0.5ns以下の特性を実現した。 (2)短絡スタブとStepped Impedance開放スタブを併用した有極形広帯域BPFの構造と設計手法を提案した。設計例として、比帯域幅40%のBPFを設計試作測定し、所望の広い通過域、低損失、複数の伝送零点による急峻な減衰特性および広い阻止域等の優れた特性を実現した。 (3)マイクロストリップデュアルモードリング共振器及び半波長共振器を組み合わせた構造を用いて、25GHzの準ミリ波および60GHzのミリ波帯で小型広帯域BPFを設計した。導出した設計公式と回路シミュレータを用いて、25GHzで3dB比帯域幅約20%のBPF、および60GHzで3dB比帯域幅約10%のBPFをそれぞれ設計し、広い通過域、急峻な減衰特性および広い阻止域を実現した。また、25GHz帯のBPFを試作測定し、設計値と良好に一致した周波数特性測定結果を得た。 (4)広帯域BPFの阻止域特性を改善するための小型低域通過フィルタ(LPF)の構造および設計手法を提案した。マイクロストリップスタブ付結合線路を用いた小型LPFの伝送線路等価回路を解析し、設計公式を導出した。導出した設計公式を用いて、スタブ付結合線路LPFを設計試作測定し、導出式と設計手法の有効性を確認した。また、スタブ付結合線路LPFの多段化設計により、阻止域を大幅に拡張できることを設計および測定で実証した。
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Research Products
(8 results)