2015 Fiscal Year Annual Research Report
電子ビームのクオリティがジャイロデバイス発振に及ぼす影響の解明と高効率化の実現
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25420327
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
立松 芳典 福井大学, 遠赤外領域開発研究センター, 准教授 (50261756)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ジャイロトロン / ジャイロBWO / 電子ビーム / 速度・位置分布 / 軸ずれ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度にGyrotron FU CW GIAにおいて実施した実験:1) ジャイロトロン位置を水平方向に微調することで共振器に入射する電子の位置拡がりを変えての実験、2) 最適化された電子銃に交換することで、電子の速度拡がりを抑えた場合での実験において、発振の高効率化を実現した結果、及び、理論計算による考察をまとめ、赤外、ミリ波、テラヘルツ波の国際会議で報告を行った。 また、Gyrotron FU CW Xを用いて、ジャイロ後進波の発振条件での実験を行い、電子ビームクオリティがジャイロBWO発振に及ぼす影響を調べた。平成26年度のジャイロBWO発振実験において、想定した実験条件では期待される2次高調波モードが発振せず、代わりに基本波モードが発振した点について、理論的考察を行った。その結果、発振した基本波モードは、本来かなりの低磁場でジャイロトロン発振する基本波モードであり、このモードが発振を期待した2次高調波モードに競合に打ち勝ち、ジャイロBWOとして発振した結果であることを突き止めた。この結果を、日本物理学会、プラズマ・核融合学会で報告した。 さらに、ラトビア大学との国際共同研究により、本課題の初年度に改良した、電子の速度および位置分布の効果を取り入れたモード競合計算コードに、発振立ち上がり時の加速電圧の時間変化を無理なく取り入れるように拡張した。これにより、さらに高電圧動作のジャイロトロンの発振に対しての電子ビームクオリティの効果を評価できるようになった。
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