2013 Fiscal Year Research-status Report
ワイドバンドギャップSiC半導体による放射線耐性に優れたCMOS集積回路の研究
Project/Area Number |
25420331
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
黒木 伸一郎 広島大学, ナノデバイス・バイオ融合科学研究所, 准教授 (70400281)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | シリコンカーバイド極限環境エレクトロニクス / CMOS集積回路 / 耐放射線 |
Research Abstract |
本研究ではSiCによる耐放射線性の高い極限環境エレクトロニクスの研究を進めている。平成25年度はシリコンカーバイド半導体による放射線耐性に優れたCMOS集積回路を構築するための、デバイス構造およびプロセス研究を行った。デバイス研究としてはデバイス構造研究と、その構造に基づくTCADシミュレーションを行った。SiCにおいては、従来通りCMOSのソース・ドレイン領域をイオン注入により形成すると、その領域の不純物活性化において問題が生じる。それは不純物活性化のために1500℃以上の加熱をするためであり、従来のセルフアラインプロセスではゲート電極が蒸発してしまうため、デバイス作製プロセスを大きく変える必要がある。これを回避する新規セルフアラインCMOSプロセスを提案した。この構造に基づき、TCADシミュレーションを行い、CMOS動作をするためのデバイスパラメータの抽出を行った。これら研究と同時にCMOS集積回路試作のためのプロセス研究を進めた。CMOS構造を作製するために特に必要な要素研究として、ゲート絶縁膜研究、ソース・ドレイン不純物活性化研究、ソース・ドレインとの低オーミックコンタクトの研究を行った。ゲート絶縁膜として、SiCの直接酸化膜に対して、その膜中電荷・界面準位低減方法として、オゾンラジカルを用いる方法を提案し、これにより酸化膜中に残存した炭素を除去し、膜中電荷低減を行った。ソース・ドレイン不純物活性化研究においては、不純物のイオン注入後のサンプルにおいて、ラザフォード後方散乱法および核共鳴解析により、SiC中の不純物位置および結晶性の評価を行った。低抵抗オーミックコンタクトの研究としては、部分的にSiCをアモルファス化することで低抵抗化を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シリコンカーバイドCMOS集積回路作製のための基本プロセス技術がそろってきており、平成26年度に予定する放射線曝露実験に向けてデバイス試作が進んでいる。平成26年度に実施予定であったダブルエピ層CMOSデバイスでのp-MOS、n-MOS間での段差配線などの、デバイス特性上の優位性、プロセス上の優位性を整理および理解については、スウェーデン王立工科大学との共同研究という形で平成25年度に前倒しで実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
4H-SiC p/n型単層Epitaxial層を用いたn-/p-MOSFETに耐放射線構造を導入し、その効果について研究を進める。さらにn-, p-ウェル構造を同一基板上に作製するための技術として、SiC基板の深堀ドライエッチング技術を導入し、SiC CMOS集積回路作製のための基本プロセスとして確立する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入した備品が予定よりも安価に購入できたため、その分差額が発生した。 次年度使用額はサンプル洗浄用薬品(半導体グレード)購入に充てる。使用計画に大きな変更はない。
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Research Products
(7 results)