2013 Fiscal Year Research-status Report
小型アンテナ一体型エネルギーハーベスティングシステムの開発
Project/Area Number |
25420334
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金谷 晴一 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 准教授 (40271077)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 無線回路 / アンテナ / 昇圧回路 / エネルギーハーベスティング |
Research Abstract |
未曾有の大震災を契機に、光、熱、振動、電磁波等の再生可能エネルギー利用技術の研究開発が喫緊の課題となっている。そこで、電力の効率的利用の観点から、電源が不要な通信機器や家電製品の実用化に向けた研究を実施する。 すなわち、放送や通信などで放射されたマイクロ波を回収し、直流電源へと変換する小型アンテナ一体型エネルギーハーベスティングシステムを開発する。 平成25年度は、単方向指向性整合回路一体型平面アンテナを設計した。整合回路はアンテナとの接続直後のコプレーナ線路とインターディジタルギャップで構成し、アンテナ裏面にフローティングメタルを配置した。フローティングメタルに存在する不要な共振を電気長補正により除去し、アンテナ裏面の放射をキャンセルすることができた。本手法により、単方向指向性を持つ平面アンテナが実現できた。なお、使用周波数は免許不要で250mWの送信が認可予定(総務省)である920MHz帯とした。 昇圧・整流回路については、電磁界シミュレータを用いた綿密な計算を行い、インピーダンス整合条件等に関するデータを蓄積した。その結果、整合条件として、インダクタンス値=15nH、キャパシタンス値=0.3pFの値を得ることができた。整合回路の整合条件調整用として、新たに、0.3pFのキャパシタを、前記のインダクタに並列に挿入した。以上の設計値により、シミュレーション結果として約60%の昇圧効率を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昇圧・整流回路については、当初、インダクタンスとキャパシタンスの直列共振回路により、インピーダンス整合を実現する予定であった。本整合回路に、新たにインダクタに並列にキャパシタを挿入することにより、整合条件の微調整及び、実際の部品におけるばらつきの調整が容易となった。本成果は新たな知見である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に設計した高指向性アンテナを、現有するプリント基板加工機により試作する。放射特性の測定には、社会システム実証センター(福岡県所有のオープンラボ)の電波暗室を使用する予定である。申請者は本センターの機器選を行った実績がある。 昇圧回路一体型整流回路については、高周波用アナログ素子を用いてプリント基板上に実現する。本回路の最も主要な素子はダイオードである。従って、Avago社、STMicroelectronics社およびToshiba社のダイオードの採用を検討している。
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