2013 Fiscal Year Research-status Report
マイクロ波等価回路による超伝導デバイスの高周波解析と実証
Project/Area Number |
25420347
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
中山 明芳 神奈川大学, 工学部, 教授 (90183524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 晋 神奈川大学, 工学部, 准教授 (10333147)
穴田 哲夫 神奈川大学, 工学部, 教授 (20260987)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 超伝導 / ジョセフソン素子 / トンネル接合 / 磁界変調 / アルミニウム酸化膜 / マイクロ波 / シャピロステップ |
Research Abstract |
マイクロ波に応答する超伝導接合の作製をおこなった。スパッタリング法により成膜したニオビウムを超伝導電極材料とし、このニオビウムの酸化膜もくしは、同じくスパッタリング法により成膜したアルミニウムの薄膜を酸化して、トンネル接合の薄い酸化膜とした。レジストとフォトリソグラフィーにより接合部を決め、溶液中の陽極酸化法で、接合部以外を厚い酸化膜にして、絶縁化した。再びワイヤリング用のニオビウム薄膜をスパッタリング法により成膜し、化学エッチング法で不用部を取り除き、接合構造を完成する。アルミニウム細線を使った超音波ボンディングで4端子測定可能になるようキャリアにセットした。 液体ヘリウム中でニオビウム薄膜を超伝導状態として、超伝導トンネル電流が流れることを確認した。さらに、液体ヘリウム容器の外の3対の円形コイル対にコンピュータ制御された電流源により電流値を階段状に変化させていき、接合面に平行に磁界を2次元的に走査し、超伝導電流の外部2次元磁界特性を測定した。正方形接合については測定された変調特性は接合の辺に平行な磁界成分に対して、sinX/Xのいわゆるフラウンホーファーパターンとなる。 マイクロ波発振器により、マイクロ波を照射してみた。その結果、超伝導電流の減少が確認された。マイクロ波ステップの確認までには至らなかった。発振器から試料の接合部へのマイクロ波信号の減衰を少なくする工夫を今後おこないたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スパッタリング法により液体ヘリウム温度で超伝導を示すニオビウム薄膜が得られた。 超伝導トンネル接合を流れる超伝導電流を確認した。 超伝導電流は外部磁界により変調し、dcジョセフソン効果を示した。
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Strategy for Future Research Activity |
超伝導接合の作製パラメータの最適化を行う。 特に、最適な酸化膜作製条件を見いだす。 マイクロ波の減衰を少なくしてマイクロ波ステップを確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品購入時の値引きにより残額が生じた。 翌年度の実験用薬品購入にあてる。
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