2015 Fiscal Year Annual Research Report
有限語長制約を考慮したディジタルフィルタの実現に関する基礎的研究
| Project/Area Number |
25420372
|
|---|
| Research Institution | Hiroshima University |
|---|
Principal Investigator |
福光 昌由 (中本昌由) 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00403585)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
| Keywords | IIRディジタルフィルタ / FIRディジタルフィルタ / マルチバンドフィルタ / 微分器 / 離散最適化 / スパース表現 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
これまでに定式化を行ったN個の通過域を持つ「帯域通過特性（マルチバンド特性）」を有する有限インパルス応答（FIR）ディジタルフィルタおよび有する無限インパルス応答（IIR）ディジタルフィルタの演算量を削減するため，実数係数と0係数（スパース係数），±1係数（準スパース係数）で構成する方法を考案した．
FIRフィルタの設計では，遅延数が次数の半分よりも小さい低遅延フィルタについて，実数係数に加えて準スパース係数（0,±1係数）を付加する設計法を遺伝的アルゴリズムとLagrange未定乗数法に基づいて構築した．さらに，準スパースを一般的に拡張し，2のべき乗係数と実数でフィルタを設計する方法も提案した．また，IIRフィルタの設計では，極半径を指定した上で分母係数をまず設計し，その分母係数を制約した上で，分子係数に準スパース性を与える設計方法を提案した．また，準スパース性の制約は，分枝限定法に基づいて最適化し，良好な解が得られることを示した．
さらに，IIRフィルタの係数を離散値で設計する方法についても検討を行った．具体的には，各種ヒューリスティクス手法：遺伝的アルゴリズム，粒子群最適化法（PSO），焼き鈍し法で分母係数と分子係数を離散最適化する方法を開発し，各特性を比較した．ここでも前年度に開発した極半径を指定可能なIIRフィルタ設計法を利用し，予め安定余裕を確保してから，分母係数を離散化することによって，離散値で設計した場合でも安定性を維持できるような設計法を開発した．
また，ローパスフィルタ，ハイパスフィルタ，バンドパスフィルタ，ローパス微分器などの設計問題に開発した設計アルゴリズムを適用し，いずれの場合においても優れた結果が得られることを確認した．
|
