2014 Fiscal Year Research-status Report
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25420392
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
岩井 誠人 同志社大学, 理工学部, 教授 (70411064)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ITS / 車車間通信 / 伝搬損失 |
Outline of Annual Research Achievements |
ITS環境における伝搬損失を網羅的に求めるための準備として開始した、道路の幅方向位置が車車間通信環境における伝搬損失特性に与える影響の評価を継続的に行った。前年度は主に見通し内環境を対象とし、幅方向位置依存性を無視することが可能であり道路の長さ方向のみの車両位置で伝搬損失が決まる環境を明らかにした。対して今年度は、見通し外環境も含め、幅方向位置の影響による伝搬損失の変化の大きさ(標準偏差)と道路パラメータ(道路幅および送受信点と交差点との距離)との関係を明らかにした。 また、交差点越え見通し外環境、および、クランク形状道路、を対象として、伝搬損失を道路パラメータにより簡易に計算することを可能とする、伝搬損失簡易推定式を構築した。これらの推定式は、レイトレーシング計算を簡易化することにより実現している。適切な近似を導入するとともに、対象を限定することにより、通常は計算機による複雑な計算を必要とするレイトレーシング計算を、ほぼ同精度で、簡易に計算可能とするものである。これを用いることにより、一般の表計算ソフトレベルでの、高精度な伝搬損失推定計算が可能である。 また、今年度は実験装置の構築を進めた。ITS車車通信環境における伝搬特性を把握し、それをさらに改善することを目的とする実験装置を構築した。この実験装置を導入し、その機能を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シミュレーションなどの机上検討による評価は昨年度に引き続きほぼ予定通りに進んでいるが、実験実施が当初予定よりも遅れている。ただし、実験装置の開発を終了し、その機能の確認も完了したことから、今年度以降実験を開始する。
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Strategy for Future Research Activity |
開発した装置による実験を実施する。当初予定では伝搬損失の把握・モデル化が主目的であったが、その方向性をやや変更し、ITS車車間通信環境における伝搬損失特性の把握・改善を目的とした検討を行う。対象は車車間通信環境であるが、一般の移動通信環境でも同様の特性が得られると考えられることから、より実験が容易な環境(たとえば室内廊下環境など)による実験を中心に行う。
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Causes of Carryover |
実験装置の所要額が予定よりやや高めであったが、大きな差ではなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
全体としては大きな差は生じていないので、予定通り実施する。
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Research Products
(4 results)