2014 Fiscal Year Research-status Report
生体画像輪郭解析法によるセキュアで利便性の高いユビキタス社会向け生体認証
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25420395
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Research Institution | Tokyo National College of Technology |
Principal Investigator |
大塚 友彦 東京工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (80262278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 宏之 東京工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (20249759)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生体認証 / 監視カメラ / 移動物体検出 / 背景推定 / 虹彩検出 / Haar-like特徴量 / 生体画像輪郭解析法 |
Outline of Annual Research Achievements |
監視カメラ映像から顔、虹彩あるいは歩容などの生体情報を抽出して個人認証するニーズが高まっている。移動物体検出は生体認証の前処理として重要な役割を果たす。今年度は、まず、移動物体検出手法の高性能化を検討し、次に、移動物体から虹彩検出する手法を検討した。 従来の移動物体検出手法の背景差分法では、登録背景画像と撮影画像の差分に基づいて物体検出するため、木々の揺れや照明変動の影響を受けやすい。背景推定法を併用した背景差分法では、事前知識として背景画像、物体の形状は不要であるが、計算量が大きいという問題があった。これらを解決するため、混合ガウスモデルを近似モデルへ変換する背景推定法を提案した。フレーム差分によって移動物体領域検出し、画素値累積を求めることで背景画像を推定する。有効性を調べるため、評価実験を行った結果、従来手法に比べ、最大F値の平均が約20%向上できた。 次に、検出移動物体から虹彩認証を行うため、移動物体に含まれる虹彩を高精度に検出する方法を提案する。従来手法では、瞳孔にまつ毛やまぶた等の障害物が重なる場合や虹彩外周輪郭が楕円形から外れる場合、虹彩検出率が低下する課題があった。そこで、まず、虹彩外周輪郭付近の微小なコントラスト変化をHaar-like特徴量に基づいて検出し、虹彩の外周輪郭を探索する。次に、虹彩周辺画像を極座標形式画像に変換し、積分画像によってHaar-like特徴量の高速計算を行って虹彩外周輪郭を検出している。有効性を確認するため、CASIA虹彩データベースVer. 3 Lampの虹彩画像2000枚に対して虹彩検出実験を行った結果、提案手法では検出率99.0%となった。従来手法の検出率は、J. Mazurらの手法では85%、L. L. LingとD. F. de Britoらの手法では93。8%に留まった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目標は、生体認証のセキュアで利便性の高い生体認証を提案することにある。具体的には、(課題1)指紋認証技術の利便性向上、(課題2)生体情報保護の課題を解決する手法を研究期間内に明らかにすることである。現在までに、課題1、課題2の解決策として、(目標1)劣化虹彩画像の堅牢な画質修復方法の提案、(目標2)高速・高精度な虹彩特徴解析とそれに基づく虹彩位置検出手法の提案、(目標3)防犯システムへの応用を想定した生体認証システムのセキュアな構成法の提案の目標を立てて研究に取り組んでいる。目標1及び目標2は、平成26年度に研究代表者が提案した画質修復機能付き輪郭解析法による指紋特徴点検出法をさらに高速・高精度化させて虹彩認証に応用できる指針を示すことができた。また、目標3は、移動物体検出に関する研究と融合し、監視カメラ映像から人の顔を検出し、そこから虹彩を高精度に検出する手法の提案も完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、多様な輝度のパターンを含む虹彩画像から多値変換を応用してその特徴量抽出を行い、実際に虹彩認証精度について評価し、提案手法の有効性を検証する計画となっている。検証には、広く虹彩認証評価実験用に用いられているCASIA虹彩画像データベースを用いて虹彩認証精度を評価し、他の手法との比較・分析を行う予定である。 虹彩特徴量の抽出、虹彩認証精度の評価、並びに抽出された虹彩特徴量の保護に関する研究は、平成27年度内に完成し、その結果は国内外の学会にて、口頭発表や査読付論文として公表する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は、虹彩認証の前処理になる移動体検出の研究が予想以上に進捗が速かったため、当初予定していた虹彩特徴量検出の研究よりも前倒して研究を推進した。このため、予算の執行状況が変化してしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、虹彩特徴抽出の研究を推進するため、そのための物品費や研究発表費などの支出が増える予定である。年度内に研究遂行上も効果的に予算を執行できる計画である。
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Research Products
(4 results)