2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25420403
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
井町 智彦 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 准教授 (60372489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 光紀 金沢大学, 電子情報学系, 准教授 (70422649)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | レオメトリ実験 / モデルアンテナ / 内蔵電源 |
Research Abstract |
本年度は、レオメトリ実験に使用するモデルアンテナの作成と、その特性評価を行った.また、レオメトリ実験環境のコンピュータシミュレーションによる解析に着手した. 新しく作成したモデルアンテナは、測定対象と測定系の電源を切り離すため、差動アンプに対する電源供給を、従来のケーブルによる外部給電から、電池による内蔵電源に改良している.モデルアンテナは水中で使用するため、防水対策としてアンテナエレメント以外を樹脂でコーティングするので、その状態で電源の on/off および充電が可能なように設計した.内蔵電源は出力電圧 3.7 V のリチウムイオン電池を2つ用い、±3.7V を給電している.この電池はコイン型電池と同サイズであり、最大出力電流は 140 mA であるため、今回の用途には十分な容量を有している.本体部分は CNC フライスおよび 3D プリンタで作成し、直径 30 mm、高さ 50 mm の円筒に収めることに成功した. また、コンピュータシミュレーションにより、実験水槽中の電気力線の分布を調べることで、実験に必要な最低限の水深を特定する解析を現在行っている. 報告は、国際学会 2013 International Symposium on Antennas and Propagation (ISAP2013) (2013/10/23~25、中国・南京、査読有)に投稿したが、予定外の事情により現地参加はかなわなかった.この他に、本年度開催の国際学会 2014 Asian Workshop on Antennas and Propagation (2014/5/14~16、日本・金沢)、The XXXI General Assembly of the International Union of Radio Science (2014/8/16~23、中国・北京) に投稿済である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、モデルアンテナの作成について無線化までを行う予定であったが、作成に必要な部品の納入が予定より大幅に遅れたため、年度内の実現に至らず、現在取組中である.その代わり、部品納入待ち期間の研究として、2年度目以降に着手する予定であったコンピュータシミュレーション解析を、現有品のシミュレーションソフトで可能な範囲ではあるが、前倒しで開始している. また、報告についても学会への投稿は研究の進捗と開催時期との兼ね合いから国際学会1件への投稿となったが、これについては大学の事情で授業日程に予定外の狂いが生じ、現地での発表は見合わせざるを得ないこととなった.ただし、初年度3月時点で2年度目に開催される国際学会2件に投稿を行っており、初年度の取組についてはここで報告を行う予定としている. 上記のように、初年度は本来予定していた結果を出すに至らなかったが、その分準備には十分な時間を割き、また一部の取組については前倒しで開始していることから、2年度目において遅れを取り戻すことは十分に可能なものと判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
2年度目おいては、初年度完成予定であったモデルアンテナ無線化を早急に完成させ、それと並行してレオメトリ実験による測定を執り行う.内蔵電源を含むアンテナ基部および測定系については初年度に手法を確立しているので、それを拡張する形で多様なモデルについての測定を行い、結果について理論考察する. 当初計画で2年度目の研究内容であったコンピュータシミュレーションについては、初年度に着手した実験系自体の測定評価に加え、モデルアンテナを配置した場合のシミュレーションを行い、実際の実験結果および理論との比較を行う. 学会発表等については、現時点で国際学会2件(国内1、海外1)が確定しており、これに加えて国内学会および国際学会での発表各1件を予定している. 当初計画と比べ、進捗に若干の遅れは発生しているものの、取組内容としては時間的にシフトしている状態で、方向性自体は当初計画通りに進行しており、また前倒しで取組を開始している事項もあることから、特に方針を大きく変更せずとも遅れは取り戻せるものと判断している.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
参加予定であった国際学会(海外)が、大学の事情により授業日程に予定外の狂いが生じ、参加できなくなったため、その旅費分が未使用額となった. 2年度目の国際学会(海外)の参加を、当初予定の1回から2回に増やし、その旅費として使用する予定である.
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