2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25420403
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
井町 智彦 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 准教授 (60372489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 光紀 金沢大学, 電子情報学系, 准教授 (70422649)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アンテナ / シールド / 実効長 / レオメトリ実験 / インピーダンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、近い将来打ち上げ予定の ERG 衛星についての電界観測アンテナ特性評価と、衛星構体側に静電防止シールドが付加されたワイヤアンテナの特性評価を行った. ERG 衛星の特性評価としては、太陽電池パドルやマストといった伸展物が電界観測アンテナの特性に与える影響を、レオメトリ実験により評価した.実験には 1/72 の縮尺モデルを作成し、プリアンプを搭載した超小型ワイヤアンテナを搭載して、電界に対する出力電圧の大きさを、伸展物がある場合と無い場合で測定し、比較した.その結果、伸展物を付加した場合、アンテナの出力電圧にわずかながら低下が観測された.この実験については、実機と模型における伸展物形状の差異(パドルの厚さ、マストの形状等)の影響が考えられるため、更なる実験が必要である. シールドが付加されたアンテナの特性評価としては、これまで実験で用いてきた側面絶縁被覆のワイヤアンテナに、衛星構体部と導通させたシールドをアルミテープで付加し、その影響を調査した.シールド長は、アンテナ長の 0% ~ 80% を5段階に変えて測定したが、シールド長が長くなると 1) 全周波数帯においてアンテナ出力電圧がわずかに低下する現象と、2) 高周波域において、周波数と反比例して出力電圧が低下する現象が観測された.この実験結果について、コンピュータシミュレーションによる電界分布の計算や、等価回路の精査を行って原因を究明したところ、1) についてはシールドが付加されたことによる電界の歪みに起因し、2) に付いてはシールドにより付加される静電容量に起因することが判明した.そして、これらの要因を組み入れた計算理論を新たに開発し、実験環境の物理パラメータを適用して計算したところ、計算結果は実験の結果とほぼ完全に一致した.今回開発した理論は衛星実機に対しても適用可能なものである.
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