2014 Fiscal Year Research-status Report
ALOS2によるマイクロ波リモートセンシングでの植生モニタリング技術の確立
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25420411
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
森山 敏文 長崎大学, 工学研究科, 助教 (20452873)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 合成開口レーダ / 偏波 / 植生モニタリング / インターフェロメトリー / 偏波校正 |
Outline of Annual Research Achievements |
H26年度は,ALOS2が5月24日に打ち上げられた.その後11月末から定常運用が始まり,観測計画による定常観測が始まっている.但し,定常運用前の初期校正と定常運用後も観測シナリオにより,観測対象領域である長崎県諫早市中央干拓地の偏波観測は行われておらず,本年度もALOS2の偏波データによる植生モニタリングの解析は実施できなかった.但し,ALOS2の偏波データの校正検証を行う委員として,JAXAからアマゾンの熱帯雨林の偏波データの提供を受けて,偏波データの校正と検証を実施した.その結果,クロストークが-40dB以下であり,観測間での偏波校正パラメータが安定している結果を得た.よって,ALOSよりもALOS2の偏波データが植生モニタリングに適していることを確認できた.この結果を,ALOS2の校正検証会議と電子情報通信学会の宇宙航行エレクトロニクス研究会で発表を行った. さらに,ALOS2(L-band)の比較データとして使用を予定している航空機搭載偏波合成開口レーダPi-SAR-X2の観測データに,SAR処理プロセッサーとアンテナの配置による偏波データの異常が有ったため,その補正方法の検討も行い,英文の査読付き論文として2編の発表を行った.また,合成開口レーダの性能向上に役立つアンテナの設計や植生の特性を評価するために重要な観測対象の比誘電率や導電率を調べる方法の研究も行い,英文の査読付き論文として発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年に引き続き,解析を予定している場所へのALOS2の観測が行われなかったため,実際のデータを用いた解析が出来なかった.そのため,研究の進捗がやや遅れている.但し,JAXAから委嘱されてALOS2のアマゾンを観測した偏波データの検証を行った.その結果,ALOS2の偏波データの精度が,クロストークの低さや,多数の偏波データ間で位相情報が安定していることを確認できた.これは,ALOS2の植生モニタリングへの応用できる可能性を示している.また,ALOS2の偏波データの実際に使用し,解析できる経験が得られた.そこで,来年度で達成度を回復し,目標を達成できると判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
ALOS2の観測シナリオから2015年8月13日のアセンディングパスで偏波観測で長崎県諫早市中央干拓地の観測が予定されている.その期間に合わせて,現地調査を行い,実測データを用いて植生モニタリンについてのデータ解析と結果の考察を行う.また,航空機搭載偏波合成開口レーダのPi-SAR-X2による同地域の観測を計画して,最大2バンド以上での植生モニタリングの比較検討を行い,ALOS2の植生モニタリング技術の確立を目指す.
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Causes of Carryover |
ALOS2の観測に合わせて,衛星搭載偏波合成開口レーダRadar-SAT-2(C-band)の同期観測を行う予定であった.しかし,ALOS2の偏波観測が平成26年度に予定した領域で行われなかったため,Radar-SAT-2の観測要求とデータ購入を行わなかった.そのため,次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度にALOS2の観測が行われる予定であり,昨年度の次年度使用額のお金を使用して,Radar-SAT-2(C-band)の同期観測を行う予定である.
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