2013 Fiscal Year Research-status Report
意識定量化ための脳波エネルギーと複雑度解析理論の構築並びに意識障害者のBCI応用
Project/Area Number |
25420417
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
曹 建庭 埼玉工業大学, 工学部, 教授 (20306989)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 脳波 / 脳信号処理 / 脳意識 / BCI |
Research Abstract |
本年度ではまず海外研究協力者の協力を得て,上海復旦大学付属医院で計4名の意識障害患者や昏迷患者などに対して延べ9回以上の脳波を計測した.また,被験者の脳波エネルギーを比較するために、同じ計測環境で計5名の意識が清明な健常者に対して延べ10回以上の脳波を計測した.これらの測定したデータを,現時点では研究チーム内で保存と活用をしているが,必要に応じて関係者に配布し,この研究を広めて行くと考えている.これらのデータは本研究の遂行に不可欠なものである. 脳波エネルギーと脳波複雑度の基礎研究については,まず脳波エネルギー積算の精度を向上させるため,多チャンネル同時に信号分解の MEMDアルゴリズムの前処理としてバンドパスフィルターや独立成分解析(ICA)アルゴリズムを導入し,EEG データ解析へ適用することにより,強い環境雑音の影響が低減され,脳波エネルギー積算の精度が向上された.次に脳波複雑度の計量として標本エントロピー法(SampEn)の研究については,スケール因 子を導入したアルゴリズムを開発し,意識障害患者の脳波データに適用したことにより,従来の近似エントロビー(ApEn)法と比較し,識別精度が向上させたことが分かった.一方,脳コンピュータインタフェース(BCI)の研究については,多択一の聴覚誘発電位のBCI パラダイムを開発し,有用な成分抽出・分類法を基にしたBCIシステムの構成を実現した(詳細は公表した論文に参照). 上記のように本年度の段階的な研究成果としては,雑誌論文や論文集などに12篇を公表し,また国際会議や国内研究会の招待により招待講演を3回を行い,できるだけ本研究を広めていきたいと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画の通り,脳波エネルギーと脳波複雑度に基づいたアルゴリズムの開発や脳コンピュータインタフェースのBCI パラダイムなどの開発を進んでいる.また,フィルタの導入や正規混合モデル法に基づいたアルゴリズムの開発やデータ解析を行い,それらの成果も公表した.
|
Strategy for Future Research Activity |
開発されたアルゴリズムを意識障害患者の脳波データに適用し,意識障害患者のレベルを検証していく。また,BCIの研究については,BCIの刺激システムの開発やオンラインBCIシステムの実現を目指す.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度の物品費,旅費及び人経費は,大学研究費の一部を利用したことにより,科研費が約48万円残っていた. 昨年度残った補助費をそれぞれ今年度の物品費,旅費及び人経費として使用する予定である.
|
Research Products
(15 results)