2014 Fiscal Year Research-status Report
非線形サンプル値系に対する受動性に基づくロバストな制御器設計法の開発
Project/Area Number |
25420434
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
片山 仁志 静岡大学, 工学研究科, 准教授 (20268296)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 非線形サンプル値系 / 受動性 / 非線形オブザーバ / 出力フィードバック制御器 |
Outline of Annual Research Achievements |
車両、航空機、船舶のダイナミクスの一般化で工学的に非常に重要な非線形システムのクラスである厳密フィードバック系に対し、サンプル点観測を用いて直接観測できないシステムの状態を推定する低次元オブザーバの設計法を構築した。また、設計オブザーバのロバスト性などの特徴の明確化を行うと共に、自然な仮定の下で、非線形サンプル値厳密フィードバック系に対する低次元オブザーバ型出力フィードバック準大域的実用一様安定化制御器の設計法を構築した。また、構築した制御器の有効性をサンプル値劣駆動船舶の直線及び通過点追従制御問題に適用し、シミュレーション及び実証実験によりその有効性を確認した。 また、非線形サンプル値系の近似モデルを含む離散時間系に対し受動性を定義、離散時間系の大域的一様漸近安定性と一様受動性の関連性の明確化、連続時間系の場合との比較、特に、離散時間系特有の問題の困難さを確認した。 非線形サンプル値厳密フィードバック系に対しては、サンプル値系の近似離散時間モデルに対し一様受動性を達成する状態フィードバック制御則と準大域的実用収束性を達成できるオブザーバを設計できれば、自然な仮定の下で、元のサンプル値系の受動性を達成できるオブザーバ型出力フィードバック制御器を構成できることを示した。 現在、非線形サンプル値厳密フィードバック系に対し、一様受動性に基づきサンプル値系の近似離散時間モデルの大域的一様漸近安定化とサンプル値系の準大域的一様実用漸近安定化を達成する制御器設計法を構築することを考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終目的とする非線形サンプル値制御系に対する出力フィードバック制御器の設計のための重要なステップである低次元オブザーバの設計法の構築、ロバスト性の確認、実機試験による有効性の確認は終了している。このため、研究目的の達成のためには、非線形サンプル値系の近似離散時間モデルの一様受動性に基づく、準大域的実用一様漸近安定化状態フィードバック則の設計法を構築することだけである。
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Strategy for Future Research Activity |
はじめに、非線形サンプル値厳密フィードバック系に対し、一様受動性に基づきサンプル値系の近似離散時間モデルの大域的一様漸近安定化とサンプル値系の準大域的一様実用漸近安定化を達成する状態フィードバック制御則と出力フィードバック制御器の設計法を構築する。 次に、入力アファイン非線形サンプル値系に対し、サンプル点観測を用いて直接には観測できないシステムの状態を推定する低次元オブザーバの設計法と近似離散時間モデルの大域的一様漸近安定化とサンプル値系の準大域的一様実用漸近安定化を達成する制御器設計法を構築する。
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Causes of Carryover |
購入予定の機器とソフトウエアの整合性に不明点が生じたため、機器(接続ケーブルと増幅器)の購入を見合わせた。参加予定の国際会議に参加できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
使用するソフトウエアあるいは機器を変更して、状況に対処する。
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