2013 Fiscal Year Research-status Report
大規模結合非負システムの解析手法の確立と社会システム設計への応用
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25420436
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
蛯原 義雄 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80346080)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 非負システム / 大規模システム / ネットワーク / 通信遅延 / フォーメーション制御 / 凸最適化 |
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| Research Abstract |
本研究では，複数の非負のサブシステムが結合することで構成される大規模結合非負システムを対象とし，その解析手法・設計手法に関する理論を確立させるとともに，理論的成果の実システムへの応用・実社会への還元を達成することを目的としている．本年度はまず，半正定値計画法や線形計画法に基づく非負システムの解析に関する基礎的な研究を進め，得られた研究成果を３編の論文にまとめ発表した．また，結合非負システムの解析・設計の応用として，マルチエージェント非負システムのフォーメーション制御に関する研究を精力的に進め，未だ学会発表などは行っていないものの自動車群の車頭時間制御といった実問題において良好な結果が得らた．この研究成果に関してはこれから学会発表・論文発表を行う予定である．また，むだ時間を有する非負システムの解析，通信遅延(すなわちサブシステム間の情報伝達に関するむだ時間）を有する結合非負システムの解析に関する研究も着実に進めることができ，得られた研究成果の一部を国際会議で発表予定である．マルチエージェントシステムのフォーメーション制御における基本的な問題設定は，各エージェントが近接するエージェントと位置情報の交換を行って所望のフォーメーションを構成するというものであるが，実システムへの応用を見据えた場合に通信遅延は（それがわずかであっても）不可避である．したがって通信遅延がフォーメーションの達成の可否やフォーメーションの達成速度にどのような影響をもたらすかを解析することには十分に意義がある．このような通信遅延の存在によるフォーメーションの制御時の性能の劣化の解析に関しても良好な結果が得られており，今後学会発表を行う予定である．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のように，今日までに凸最適化手法を用いた線形非負システムの解析理論と設計理論，結合非負システムの解析理論と設計理論および実システムへの応用，むだ時間（通信遅延）を有する(結合）非負システムの解析に関する基礎理論の構築において良好な結果が得られており，研究はおおむね順調に進展していると考える．しかしながら，当初実施を予定していた，エネルギー・環境に関連する社会問題の実情の調査や非負システム理論を適用するための具体策の検討などの進展は大きくなく，これらを進めることが次年度以降の１つの課題である．
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| Strategy for Future Research Activity |
むだ時間を有する非負システムの解析に関しては研究が概ね順調に推移しているが，システムの非負性を利用することでどの程度強い結果が導かれるのかを明確にするためにも，むだ時間を有する(必ずしも非負とは限らない）線形システムの解析に関する既存結果(とくにラブラス領域での取り扱いに関して）を精査する必要がある．この点に関しては，むだ時間を有する線形システムの解析を専門とする研究者との直接的なやり取りを通して情報収集をはかる．
また，エネルギー・環境に関連する社会問題の実情の調査に関しては，関連する研究発表が多数なされる学会に参加することで情報収集をはかる．これらの問題に対する非負システム理論の適用可能性を探るために，社会システムの非負システムとしてのモデリングに関する検討を行う．
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していたパーソナルコンピュータ（ＰＣ）の購入を見送ったため．なお，以前より所有していたＰＣを用いて研究は十分に円滑に遂行できた．
次年度使用計画に大幅な変更はない．研究資金を有効に活用して研究の進展を図る．
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