2013 Fiscal Year Research-status Report
グレーボックスモデリングに基づくパラメータ依存システムの同定に関する研究
Project/Area Number |
25420439
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 秀幸 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (90303883)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 制御工学 / システム同定 / グレーボックスモデリング / 部分空間同定法 |
Research Abstract |
これまでの研究では,機械系の位置と速度から周波数領域においてデータ行列を構成し,状態を推定してグレーボックスモデルを求める方法を提案してきた.この方法は状態に関する全ての情報(位置と速度の両方)が必要であるが,機械系が必ずしもそのような制御対象であるとは限らない.そこで,本年度は速度を用いずに状態を推定する方法へと拡張した.具体的には,非凸最適化により初期モデルを求めてから周波数領域で状態を推定し,凸最適化により係数を推定してグレーボックスモデルへと更新する方法をSSS'13で提案した.この方法を回転型振子の二つの異なるホワイトボックスモデル(台座の傾きを考慮する物理モデルと考慮しない物理モデル)に適用した.どちらのモデルについても,更新した結果は良いモデルが数値例により得られた.なお,台座の傾きを考慮しないホワイトボックスモデルを用いた場合には,振子のアームの零点をとらえきれないグレーボックスモデルとなった.この点に関しては,もう少し違う観点から考察が必要であると考えられる. LPV 部分空間同定法についていくつかの既存研究に関する調査を行い,kernel 法や最小二乗法の計算量の観点から,理論的な研究の流れに変化が起こっていることを指摘し概観を述べた(第56回自動制御連合講演会).さらに,LPV 部分空間同定法における最小二乗法について双対空間の観点から考察を行った.凸錐に基づいて最小二乗問題の主問題と双対問題を導出し,それらの解を特徴づけた.この結果を第一回制御部門マルチシンポジウムで発表した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまで研究してきたグレーボックスモデリングを拡張する際に,申請計画による方法で考察したが,非凸最適化問題としかならないことがわかった.これにより,研究計画を申請したときとはかなり違うアプローチを考えなくてはならず,遅れることになった. また,LPV 部分空間同定法における最小二乗法についても研究を行ったが,得られた結果の新規性についても小さいことがわかってきた.
|
Strategy for Future Research Activity |
グレーボックスモデリングのとらえ方について誤っていたことがわかったので,非凸最適化問題であることを意識したアプローチに適宜修正する.26年度以降はホワイトボックスモデルとブラックボックスモデルの次数が異なる場合を考察する予定にしていたが,今後は若干軌道修正し,不確かさを考慮したグレーボックスモデリングを行うことを考える.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額が生じた主な理由は,実験機器本体は購入しているが,それに対して使用する新しいパソコン等をまだ購入していないためである.現段階では理論的な部分を考察中であるので問題はないが,理論的部分が準備出来次第,すぐに実験できるように準備する予定である. 実験機器に使用する新しいパソコンやソフトウェア等,まだ購入が完了していないものに使用する予定である.
|
Research Products
(3 results)